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死にたい、死にたい…踏み込みにくいタブーな問題、安楽死は認められるのか?


現在の社会は、昔に比べると自由と人権の意識が定着し、多くの人が自分の意志で社会の中で暮らすことができるようになっています。

ですが、それでも自由な権利として認められていないものは自死、つまるところの死ぬ権利というやつです。

これについては簡単に答えが出せる問題ではないものです。

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安楽死が認められている国

日本では安楽死は法的に認められてはいません。たとえどんなに本人の希望があろうと、安楽死させるとそれは自殺幇助であったり、殺人となってしまうわけです。

しかし、世界では安楽死が認められている国もあります。オランダ、スイスが有名ですが、ほかにもベルギーなどいくつかの国でも認められています。アメリカの一部の州でも認められています。

安楽死自体はそこまで高価な費用が必要ではなく、スイスでは「安楽死ツアー」なるものも存在しているそうです。自殺旅行、というと聞こえが悪いですが、世界中の人がスイスへと安楽死を求め旅立つのです。

オランダでは年間6000人もの人が安楽死をしているそうです。これは毎年亡くなる人の4%もの数だそうです。もちろん毎日死にたい死にたいと言っているようなメンヘラたちが死ぬわけではありません。治らない病気であること、痛みがひどいことなどいくつかの条件を満たさなければ安楽死をすることができません。

最近は、一部で安楽死の合法化を認めるべきという声もあがっています。先日も安楽死の合法化を訴えていた104歳のオーストラリアの科学者がスイスで安楽死をしました。

安楽死は自殺といえばそうなのですが、根底には「クオリティオブライフ」という考え方があります。ただ長く生きることだけが人生ではなく、その人生の質を重視する考え方です。

安楽死を認めるべきか

さて、これもまた難しい問題ですが、安楽死を認めるべきなのでしょうか。

死にたい奴は死ねばいい

なんて一言で片づけたくなる人もいるかもしれませんが、その一言で片づけることができないのも、また社会というものです。

現在の日本では、自分が治ることができない病気になり苦痛に耐えられなくなったとき、投薬による安楽死を選べるとしたらどうするか、というアンケートに対し、7割の人が選ぶと回答しています。同様に7割以上の人が安楽死を法律で認めることに対して賛成と答えています。

一方で、安楽死というのは政治的にも道徳的にも踏み込みにくい領域であることには間違いありません。認められたとしてもオランダのように複数の条件を満たすなどの法整備が必要です。遠まわしでも人を死なせてしまったという罪悪感、自殺すれば地獄へ落ちるのではないかという宗教観、生きていればいいことあるさ的な道徳観、死生観など、一言では言い表せないさまざまな問題もつきまといます。

つまり、論理的には安楽死の必要さはなんとなく理解しているかもしれませんが、精神的に人間はまだそこまで成長してないということなのかもしれません。一般市民は受けるだけの人間なので認めればいいのに、と思うかもしれません。しかし実際に安楽死法案を進める政治家や官僚、安楽死を行う医療関係者などにとっては、さぞかしやりにくいことなのではないでしょうか。

日本と安楽死

安楽死には積極的安楽死と消極的安楽死があります。

消極的安楽死というのは、本人の明確な意思で救命、回復のための治療を行わないこと、中止することを指す言葉です。日本ではこの消極的安楽死は法的には問題なく、罪に問われることはありません。

積極的安楽死は致死量の薬の投与を行い死に至らしめる行為のことをいいます。実は日本でもこのような事例は過去にもあり、裁判ではオランダのようにいくつかの条件を満たしていれば殺人罪の適用はない、という結果もでています。

これはどういうことかというと、安楽死は法的には認められているものではないですが、司法においては認められる(というか、罪に問われない)ケースがある、と考えることができます。ちょっとややこしいところではありますね。

ちょっと長くなりましたが、日本において、いや世界において、長い将来は安楽死が法的に認められるような流れになるかもしれません。すべての物事について個人の責任や個人の意思、個人の生き方が尊重される時代へと進んでいるからです。しかし、たとえ認められたとしても、毎日死にたい死にたいとツイッターに投稿する人たちが安楽死できる施設へ押し寄せ死んでいくかというと、そんな未来にはならないことでしょう。

海外では安楽死の薬を処方されたら安楽死を選ばなくなったという事例もあるそうです。いつでも死ぬことができるという選択肢が、逆に安心感をもたらしているのかもしれません。

生き方もいろいろ、死に方もいろいろ、日本と安楽死、今後はどうなるでしょうか。

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