QUESTIONより:あまり大声で言えない電子マネーが使えない店も多い闇の理由


QUESTIONより

コンビニ等で買い物する時おつりで500円玉がくるように考えて支払うのが日課になっています。ライブハウスのドリンク代には500玉は必須なので日頃から貯めます。 いつもドリンク代が電子マネーで支払えたら便利なのにな~と思ってます。彩雨さんもプライベートでライブハウス行かれると思いますがドリンク代についてどう思われますか?


ドリンク代については、招待の場合は先方持ちになっていることも多く、払わずにドリンクチケットをもらえることもあるのですが、自分で払うときもあります。

普段そこまで気にしてませんが、たしかにライブに多くいかれる方は500円玉必須というのは盲点でした。

電子マネーの導入

お店での電子マネーの導入も、徐々に簡単にできるようになってきました。本来であればSuica決済機という機械が必要になります。というわけで初期費用がかかります。モバイル決済方式を使えば、iPhoneやiPadがあればものによってはSuicaやクレジットカード決済にも対応できるようで、初期費用ナシに導入することができます。

近年は日本でもQRコード決済が注目されており、中国では屋台レベルでもQRコードで簡単に決済できるといわれています。

今後は多くの店舗で、もっと簡単に電子決済ができる流れになると思います。

電子マネー導入のデメリット

ユーザーにとってはメリットの多い電子マネーですが、お店にとってはメリットもデメリットもあります。

お店にとってのメリットは、現金を持たなくていいということです。お金の数え間違いのリスクもなく、極端な話、レジを放置したところで盗まれるものはないということです。しかしデメリットもあります。

まず手数料です。クレジットカード決済でも電子マネー決済でも、手数料がかかります。この手数料をユーザーに課すことはできません。たまにバーなどで現金だといくら、カードだといくらとカードだと割引させないようにしているお店もありますが、実はあれはカード会社と店舗の契約違反にあたります。お店にとっては、カードや電子マネーを使われるほうが、お金の面だけ直接的に考えると利益率が少なくなってしまうのです。

なのにもなぜお店は導入するかというと、そのほうがユーザーが便利に思ってくれれば、今後のリピーターになることも考慮してそこはやらざるをえない、というところもあると思います。

そんな彩雨さんは、そんなことを知りながらカードや電子マネーを使います。ごめんなさいね。

電子マネー導入のデメリット(闇編)

でも実はこんなのは建前で、お店にとっての電子マネー導入の最大のデメリットって、お店が売り上げをちょろまかすことができなくなることかなと思ってます。売り上げをちょろまかす、というのは支払いの税金をちょろまかすことができるという意味でもあります。

こういうと語弊があるのですが、電子マネーを導入してないお店がみんな売り上げをちょろまかしていると言っているわけではありません。

高額紙幣ですと紙幣番号というものがありますが、だからといってデータ上で紙幣番号と所有者が紐づいているわけでもありません。少額の硬貨はもう見分けはつきません。これでレシートがでなかったら、飲食含むサービス業ですと物的証拠もなにもないわけです。

つまり、現金ですとどんなお金の流れが起きているのか把握できないのです。一方で電子マネーやクレジットカードですと、データ上に履歴が残ります。1円単位で正確な売り上げがわかってしまいます。

韓国や中国は国レベルでクレジットカードの利用を推奨しています。韓国はカードを使うと税金が控除されるといった思い切った取り組みをしています。もちろん両国ともにIT工業が盛んな国であるというのも理由の一つでしょうが、お店側の脱税を防止するためにクレジットカード決済を推奨しているという話もあるのです。

日本も徐々に導入が進んでいるとはいえ、まだまだ電子マネーについては後進国です。クレジットカードについてはアジアを先駆けて普及していたのにも関わらずカードが使えないお店も多く残っていることを考えると、そういったところまでメスをいれてない、もしくはメスをいれにくい、もしかしたらあえていれてない、というところもあるのかなと思います。

ずるするなよ!違法じゃないか!と荒ぶる人もいることでしょう。ここから先は電子マネーの論点からずれるしコアな話なのでしませんけど、そこまで白黒はっきりさせないところもまた日本のいいところでもあり悪いところでもあるといいますか…まぁそういうもんかなとも思っています。とはいえ、脱税は違法ですけどね。

そして繰り返しになりますが、電子マネーを導入してないお店がみんな売り上げをちょろまかしていると言っているわけではありません。

ほとんどのお店はきっとちゃんと帳簿をつけて、真面目に納めるべきものを納めているはずです。