QUESTIONより:スポーツにどうして年齢制限があるのか


QUESTIONより

スポーツの大会には出場選手の年齢制限を設けている競技がありますが、若くして活躍している選手にとっては年齢制限のせいで大会に出場できないのは歯がゆい気持ちなのではないかなと思ってしまいます。彩雨さんはスポーツの年齢制限についてはどのように感じていらっしゃいますか?


スポーツの年齢制限、そうですね。スポーツ競技にもよりますが、なんらかの形で年齢制限を設けているスポーツは多いですね。

ギリギリのラインにいる選手は、場合によっては同い年でも出られる選手と出られない選手がいるケースもあることでしょう。

年齢制限のあるスポーツ

例えばサッカーのオリンピック代表はU-23で構成されるというルールがあるので、一定以上の年齢の選手はオーバーエイジ枠が適用されなければオリンピックに出場することができません。そういう意味では、ギリギリ23歳を超えてしまう層の選手にとっては4年に一度しかないオリンピックということで、出ることが難しくなってしまいます。

次は東京オリンピックがありますが、出たくても出られない世代の人も多くいることでしょう。その世代は3つ上くらいの世代とリオオリンピックを目指さなくてはならないのだから、大変ですよね。

サッカーの場合は、年齢別の大会が多く存在します。これには、多くの世代の人間を世界大会に出場させることで、レベルアップをはかることが目的とされています。ちなみに、女子はサッカーもフル代表で望むことができます。オリンピックの規定ではなく、サッカー全体の規定なのです。

若すぎて代表に選ばれないというスポーツもあります。フィギュアスケートは15歳以上でないと出場することができません。正確にはオリンピックの前年の7月1日の段階で15歳であることが条件なのです。浅田真央選手はトリノオリンピックのとき、シニアの大会では優勝しているほどの実力者だったのですが、出場することはできませんでした。

これには理由があります。まだ若い子に、オリンピックの重圧が精神的な負担、苦痛にならないようにという配慮と言われています。

ちなみに高校野球も、高校生なら出場できるわけではなく、年齢制限があります。留年しまくれば何回でも甲子園を目指せるわけではありません。更に余談ですが、高校野球は転校すると1年間は公式戦に出場することができません。1年のうちに転校すれば、3年生では別の大会で甲子園を狙えるかもしれません。子どもたちにとっては厳しいルールかもしれませんが、これは強豪校がプロ選手のように選手を移籍させないようにするためのものかと思われます。

年齢制限のないスポーツ

年齢制限がないスポーツも多いです。実はサッカーもそうで、どれだけ若くてもワールドカップに出場することができます。歴代最年少は17歳ですが、17歳や18歳くらいですと選ばれてる選手はちょこちょこいます。最年長はこの前の2018年のワールドカップに出場したエジプトの選手で45歳です。親子で出場もできちゃいますね。

オリンピックにしても、年齢制限を設けているスポーツのほうが少ないです。ただ、選ばれるかどうかは別として、ということですね。公式記録での近代オリンピックの最年少メダリストは、第1回アテナ大会の10歳の体操選手です。日本人でも水泳の岩崎恭子選手が14歳で金メダルをとっています。

体操やボクシングなどは年齢制限が設けられています。

オリンピック憲章には〝健康上の理由でIFの競技ルールに定められている制限以外には、オリンピック競技大会に参加する競技者に年齢制限はない〟とあります。IFというのは各競技の国際連盟のことです。年齢制限を設ける理由は選手を守るため、やはり必要なことなのかもしれません。しかしサッカーに関しては、この23歳以下というのはFIFAワールドカップとの差別化をはかるための措置とも言われています。23歳以上だと選手が危険になるようなスポーツではないですからね。まぁそういう意味では、ちょっと特例であることには変わりないんですけどね。

そんなサッカーは、現在アジア大会でU-21の選手たちが出場しています。東京オリンピック世代、がんばってもらいたいです。