「バルス」「ZARAはどこ?」からみるクロスメディアの面白さ


先日のシン・ゴジラのテレビ放送がありました。かなりの高視聴率で、「バルス」に代わり「ZARAはどこ?」の祭りが今後起きるのではないかというほどの話題っぷりでした。さて、その映画放送と同じ時間帯で、Abema TVではゲストを集めて視聴者の方とみんなでシン・ゴジラを見る、という企画が行われていました。サイバーエージェントとテレビ朝日が提携しているからこそできた企画ですが、これはなかなか新しいアイデアだなと思いました。

放送中にちゃちゃいれるおもしろさ

ニコニコ動画はユーザー同士がコメントを入れることによって盛り上がり、さらには番組側もそのコメントを拾うことで番組を進行するという新しい文化を作りました。Abema TVでもコメント機能があり、スポーツ中継やニュースなどはアナウンサーがコメントを拾いながら進めるという、テレビではなかなかできない番組つくりをします。

先述の天空の城ラピュタでは、ツイッターが盛り上がりますね。これはテレビ局が仕掛けたものではないのですが、今のテレビは番組にプラスアルファ成分があることで、新しいテレビ文化を築くというのが一つのトレンドになっています。

この流れにうまく乗ったのが、副音声です。そもそも副音声とは外国の方が英語でニュースなどを聞けるようにするのが目的だったわけですが、例えばスポーツではまじめに実況するメインと、芸能人などゲストを多く読んで盛り上がりながら実況する副音声とでわけるなど、一つの番組に二つの要素を持たせるということを可能にしました。
さらにこの副音声で、ドラマで出演した役者を呼んで生放送でラジオのようにしゃべる、という試みもしています。これもなかなか画期的なものでした。視聴者としてはドラマに集中してほしい気もしますけど、このあたりはどう考えているのでしょうか。フランクな内容のドラマだったらありかもしれません。たまにライブDVDでもメンバーが副音声でいろいろしゃべるなどありますが、それに近いですね。

スポーツ観戦のプラスアルファ

さて、横浜Fマリノスが面白い試みをします。

明治安田生命J1リーグ第32節セレッソ大阪戦(14:00キックオフ/日産スタジアム)において、観戦頂きながら特別な解説を聞ける、トラベルイヤホンを使用した観戦…

情報源: 【限定100名】ライブ副音声付き観戦イベント トライアルのお知らせ | 横浜F・マリノス 公式サイト

試合中にトラベルイヤホンを使って、試合の実況を聴きながら試合観戦できるという仕組みです。たしかにスポーツ中継はたまにラジオを聴きながら観戦してる人もいます。Jリーグの試合はDAZNに入っていればスタジアムでも見ることはできますが、ネット放送なのでタイムラグもありますし、映像もありだと通信量も気になります。歌舞伎や能でも、同じ仕組みをつかって解説や翻訳を流したりしてますしね。

トラベルイヤホンもいいですが、例えば強力なFMトランスミッターを使って、ラジオ持ってる人はみんな生実況聞けたりしたらいいですよね。まぁみんながイヤホンつけてたらちょっと変ですけど、ゆっくり&じっくり観戦したい人にはいいなとは思います。

それにしても、こういう権利ってどうなってるんでしょうね。例えば、試合見に行ってそれをネットでiPhoneで生配信したらさすがに違法だと思うんですが、例えば自分がマリノス戦見に行って、ひたすら映像なしで実況&解説する音声ラジオをやったらそれは法的にはどうなのか。どうなんでしょう。まぁやってる人いないということは、ダメなんでしょうね。位置情報でスタジアムにいる人だけが聞けるような仕組みだったらいけそうな気もしますが、これだとまたタイムラグ気になりそうですね。

ARという拡張現実を使って、例えば試合中でiPhoneをかざすとどの選手が誰とか、そういうのがリアルタイムでわかるようなサービスもあります。スポーツ観戦はプラスアルファの部分で面白いことができれば、さらにいいサービスを作れる気がしています。

ちょいニュアンスが違いますが、快進撃を続けたベイスターズの経営改革もの記事も面白かったです。

「顧客ずらし戦略」とは、スキル等を含めた自社の本質的なアセット(資産)を見つめ直し、新たなビジネスを展開して、これまでとは異なる顧客をつかまえること。ここ数年で業績を劇的に向上させたプロ野球の横浜DeNAベイスターズも、その黒字化プロセスにおいて、何らかの「顧客ずらし」があったと考えられる。

情報源: 横浜DeNAベイスターズは「野球を見せる」から離れたことで黒字化した | 企業を再成長させる「顧客ずらし戦略」 | ダイヤモンド・オンライン

ま、なんにせよ、これからのポイントはクロスメディアです。
SNSとテレビ放送、トラベルイヤホンとサッカー、この感じでいくと、音楽ビジネスではどんなものとコラボレーションができるでしょうか?
そう考えると、なにか新しいことができそうな気がしますね。