キューバでVISAとMastercardが使えなくなる!?「完全グローバル化」の巻き戻しを考える


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。

こんにちは。今日は、世界経済や国際情勢に関する少し驚きのニュースがありましたので、ご紹介したいと思います。

キューバでVISAとMastercardが使えなくなる?

カリブ海に浮かぶ島国、キューバ。歴史の教科書で習った「キューバ危機」や、野球の強豪国として有名な国ですよね。
そのキューバで、なんと「VISAカードとMastercard(マスターカード)が使えなくなる」というニュースが飛び込んできました。
(※事実確認の補足:キューバは長年アメリカから経済制裁を受けており、アメリカ系の金融機関が発行するクレジットカードの利用に厳しい制限がかかっていました。時期や詳細な規制内容は状況により変動しますが、アメリカ資本であるVISAやMastercardの決済網から事実上締め出される(あるいは利用が極めて困難になる)という事態は、経済制裁の強化や国際金融システムの分断を象徴する出来事です。)

これはかなり衝撃的です。
クレジットカードといえば、VISAやMastercardは「世界標準」のインフラです。海外旅行に行く時も、現金をたくさん持たなくても、これらのカードさえあればどこの国でも大抵の決済ができてしまうのが当たり前でした。

それが国を挙げて(あるいは制裁によって)使えなくなる・締め出されるというのは、一体何を意味しているのでしょうか。アメリカとの歴史的な政治的背景があるとはいえ、非常に象徴的な出来事だと感じました。

グローバル化の頂点から「巻き戻し」の時代へ

ここ数十年、世界は「グローバル化(地球規模での一体化)」を猛スピードで推し進めてきました。

モノのグローバル化。今、私たちが着ている服も、収録に使っているこのiPhoneも、アメリカの企業がデザインし、別の国(中国や東南アジアなど)で製造され、日本に運ばれてきたものです。40年前なら、その地域で作られたものをその地域で消費するのが当たり前でした。

人のグローバル化。日本にたくさんの外国人が働きに来ているように、日本人も世界中へ出かけて働いています。

情報のグローバル化。私が日本で話しているこのPodcastも、インターネットを通じて世界中の人がリアルタイムで聴くことができます。

そして、お金(金融)のグローバル化です。VISAやMastercardのような決済網を通じて、どこにいてもドル建てで買い物ができ、お金が自由に国境を越えていました。

しかし、この数十年間続いてきた「完全なグローバル化」の流れが、今、逆回転(巻き戻し)を始めているのではないか、という懸念があります。

経済ブロックの分断と「ブロック経済」の再来

「巻き戻し」といっても、いきなりすべての国がバラバラに鎖国するわけではありません。いくつかの巨大な「ブロック(経済圏)」に分かれて対立する構図です。

歴史を振り返れば、かつてアメリカ中心の「西側諸国」と、ソ連中心の「東側諸国」が冷戦状態でバチバチに対立し、オリンピックをボイコットし合うような時代がありました。
冷戦が終わり、世界は再び一つ(グローバル化)になったように見えましたが、ここ10年ほどの動きを見ていると、再びその「ブロック経済」に戻ろうとしている気配を感じます。

中国は「一帯一路」という巨大な経済圏構想を掲げて自国中心のネットワークを広げています。一方のアメリカも、中国を警戒して強力な経済・半導体の防衛網を築き、自国の利益を最優先する姿勢を強めています(「自分たちのことは自分でやる、世界全体の面倒は見ない」という自国第一主義ですね)。

今回のキューバでのクレジットカード利用停止のニュースも、単純に「旅行に行く人が不便だね」というミクロ(小さな)視点の話にとどまりません。
「今まで世界中どこでも共通で使えていたインフラ(自由化の象徴)が、特定の地域で使えなくなる(分断される)」という、マクロ(大きな)視点で見れば、世界がバラバラのブロックに分かれていく大きなうねりの一つの象徴(予兆)ではないかと私は捉えています。

大きな視点でニュースを読み解く

もしアメリカが本当に「世界の警察(リーダー)」としての役割を降りて、「防衛も自国第一。日本はもう自分たちで勝手に守ってね、さようなら」というスタンスになったら、日本はどうやって国を守り、経済を維持していくのか、という非常に深刻な問題に直結します。

もちろん、このキューバのクレジットカードの件だけで「世界が分断される!」と大げさに騒ぎ立てる必要はないかもしれません。
しかし、日々の小さなニュースの裏にある「世界の大きなうねり」を感じ取り、「これはどういう意味を持つのか?」と自分なりに解釈するマクロな視点を持つことは、これからの激動の時代を生き抜く上でとても大切だと思っています。

今日は、キューバのクレジットカード問題から、世界のグローバル化の巻き戻しについてお話しさせていただきました。