これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
今日は、IT業界の勢力図や私たちのスマホアプリの利用にも関わってくる、ある大きなニュースがありましたのでご紹介したいと思います。
Google Playがアプリの手数料引き下げと独自決済を容認
ニュースの内容は、「Googleが6月30日から、Google Playストアにおけるアプリ配信の手数料を引き下げた」というものです。日本でも年内にこの新ルールが適用される見通しです。
さらに手数料の引き下げだけでなく、「Googleの決済システムを通さない、開発者独自の決済システム(外部決済)」も条件付きで認めるという発表がありました。
(※事実確認の補足:Googleは各国の独占禁止法違反の指摘や規制当局からの圧力、Epic Games等との裁判を受け、アプリストアの手数料の段階的引き下げや、ユーザーが外部決済システムを選択できる「ユーザー選択課金(User Choice Billing)」の導入を国ごとに順次進めています。)
これまで、スマホアプリの中でアイテムを買ったり課金したりすると、その売上の約30%という非常に高い手数料が、問答無用でAppleやGoogleに持っていかれていました。
これは業界内で皮肉を込めて「Apple税」「Google税」と呼ばれ、GAFAM(特にアプリストアを独占するAppleとGoogle)の強すぎる支配力が長年問題視されてきたのです。
発端は「フォートナイト」の反旗
この「高すぎる手数料問題」に、メディアや世間の機運が一気に高まった直接的なキッカケがあります。私も5年ほど前からお話ししてきましたが、大人気ゲーム「フォートナイト」を運営するEpic Games(エピックゲームズ)の反乱です。
Epic Gamesは、「30%の手数料は不当だ」として、AppleやGoogleのアプリストアの規約を意図的に破り、ゲーム内に「直接自社に課金できる(手数料がかからない分、ユーザーは安く買える)独自の決済システム」をゲリラ的に導入しました。
当然、ルール違反だとしてフォートナイトはアプリストアから削除(リジェクト)されてしまいましたが、これを機にEpic GamesはAppleとGoogleを相手取って大規模な独占禁止法の裁判を起こしました。
ルールを破ったEpic側にも問題はありますが、この一連の騒動によって「確かにプラットフォーマーの手数料は高すぎるし、独占状態は健全ではない」という世論と、各国の規制当局の動きが強まったのです。
「Webアプリ」の台頭とプラットフォーマーの自浄作用
Googleが今回、手数料の引き下げや独自決済の容認に踏み切った背景には、裁判や規制当局からの圧力だけでなく、「テクノロジーの変化」もあると思います。
最近は、アプリストアを経由せずに、ブラウザ上で直接アプリのように動かせる「Webアプリ(PWAなど)」の技術が進化してきています。
Googleとしても、あまりに厳しいルールや高い手数料を維持しすぎると、優秀な開発者たちが「じゃあもうGoogle Playを通さずにWebアプリでサービスを展開しよう」とストアから離れていってしまうという危機感があったのではないでしょうか。
2010年代以降、GAFAMは世界のお金もユーザー情報も完全に独占してきました。「便利なんだから独占でもいいじゃないか」という声もありましたが、さすがにそれが行き過ぎてしまった今、巨大企業側にもある種の「自浄作用(または規制による軌道修正)」が働き始めているのを感じます。
Appleはどう動くのか?今後の注目ポイント
Googleが独自決済を認め、手数料を下げることで、開発者たちの利益が増え、より面白くて新しいアプリやサービスが生まれやすくなるはずです。また、これまで難しかった仮想通貨を使った決済なども、少しずつ緩和されていく可能性があります。
ここで一番の注目ポイントは、「最大のライバルであるAppleがどう動くか」です。
Appleもこれまで、小規模な開発者向けに手数料を15%に下げるなどの措置は一部とっていましたが、Googleほど大々的な外部決済の完全容認には至っていません(※欧州のデジタル市場法(DMA)対応などを除く)。
しかし、「Googleの方が手数料が安くて開発しやすい」という状況を、Appleがそのまま放置するはずはありません。
Googleが先陣を切って動いたことで、Appleが今後どのような対抗策やルール変更を出してくるのか。そして、Meta(違法広告問題などで揺れていますね)などの他の巨大企業がどう変わっていくのか。
この5年間の集大成とも言えるプラットフォーマーの変化を引き続きチェックし、また続報があればお話ししたいと思います。
今日は、Googleが「Google税」を引き下げたというニュースについてお話しさせていただきました。