これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
現在、アメリカ・カナダ・メキシコで共同開催されているワールドカップで盛り上がっていますね。
今回のワールドカップは出場枠が増えましたが、グループリーグを突破したアジア勢が日本とオーストラリアのみという状況になり、「枠は増えたけれど、やっぱりアジアはまだまだ厳しいな」という風潮が世界的に出てきているように感じます。
日本も決勝トーナメントでブラジルという非常に高い壁とぶつかります。もしここでアジア勢がすべて消えてしまったら悔しいですが、強豪相手にぜひとも一泡吹かせてほしいと応援しています!
さて、今日は試合の勝ち負けとは少し離れた、サッカーの世界的な「仕組み」や「政治」に関わるニュースをご紹介したいと思います。
ネパールがFIFAから「会員資格停止」の重い制裁
アジアにある「ネパール」という国をご存知でしょうか。ヒマラヤ山脈があり、世界最高峰のエベレスト(チョモランマ)がある国です。
そのネパールのサッカー協会が、今回「FIFA(国際サッカー連盟)」から会員資格の停止(締め出し)という非常に重い制裁を受けてしまったというニュースがありました。
FIFAから会員資格を停止されるとどうなるか。
それは、「ワールドカップの予選を含め、FIFAが主催・公認するすべての国際試合に出場できなくなる」ということです。
現在、この重い制裁を受けて国際大会に出られない有名な国といえば、ウクライナ侵攻の影響を受けたロシアです。ロシアの代表チームも、国内の強豪クラブチーム(チェルカ・モスクワなど)も、チャンピオンズリーグなどの国際舞台から完全に締め出されています。
今回のネパールの資格停止も、それに匹敵する非常に重い処分なのです。
なぜ制裁を受けたのか?FIFAの「第三者介入」の厳格なルール
ネパールがなぜそんな重い制裁を受けたのか。
それは、「サッカー協会に対して、第三者(政府・国)が強く介入したから」です。
FIFAは「サッカーへの政治的干渉(第三者の不当な介入)」を規約で固く禁じています。
ネパールは小さな国であり、過去には政変や王室を巡る事件などが起きるなど、政治的に不安定な時期がありました。スポーツを国主導で発展させようとする発展途上国や小さな国では、どうしても国の政治権力がサッカー協会の人事や運営に口を出してしまうケースが起こりがちです。
過去にも同じような理由で制裁を受けた国はいくつかあります。
アフリカのコンゴ民主共和国や、イラク(フセイン政権時代に大統領の親族がサッカー協会を支配していた問題など)も問題視されたことがありました。(※北朝鮮が過去にワールドカップ予選を辞退したのは、感染症対策などの別の理由であり、FIFAからの締め出しではありません。)
FIFAも小さな国独自の事情はある程度多めに見てくれている部分はあると思うのですが、それでも「資格停止」というレッドカードを出されるということは、よほど度を超えた政治的介入があったと判断されたのでしょう。
FIFAの強大なピラミッド構造がもたらす光と影
この「第三者(国)の介入を許さない」という厳格なルールは、FIFAという組織がいかに強大で、特異なピラミッド構造を持っているかを示しています。野球などとは全く違う仕組みですよね。
FIFAを頂点として、各大陸連盟、各国のサッカー協会、クラブチーム、そして小学生のチームに至るまで、すべてが一つの巨大なシステムにカテゴライズされて所属しています。
この強大な統制力があるからこそ、「連帯貢献金システム(移籍金の分配)」のような素晴らしい仕組みが成立します。
貧しい国の無名チームで育った選手が海外のビッグクラブに何十億円で移籍した時、その移籍金の一部が、かつて彼を育てた小さなクラブにもきちんと分配・還元されるルールです。
これがあるからこそ、世界中の小さなクラブが育成に力を入れ、貧しい国にもお金が還元されるのです。
しかし、そのルールの恩恵を受けるためには、FIFAの厳格な規約(政治介入の禁止など)を絶対に守らなければなりません。今回ネパールが資格停止になってしまったのは、その光と影を象徴する出来事だと言えます。
ちなみに、私は子供の頃にネパールに2回行ったことがあり、とても素敵な思い出がたくさんある大好きな国です。決してネパールという国を悪く言う意図はなく、一刻も早く問題が解決して、また国際舞台に復帰できることを祈っています。
サッカーを通じて、その国の歴史や政治、世界情勢(アフリカのザイールがコンゴになった背景など)を知ることができるのは、サッカーの持つもう一つの大きな魅力ですよね。
今日は、ネパールのFIFA資格停止のニュースから、サッカー界の裏側の仕組みについてお話しさせていただきました。