これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
こんにちは。先日、熊本のイオンモールで発生した爆発事故について、非常に痛ましいニュースがありました。
一度は安全な場所へ避難したにもかかわらず、「お店の現金を金庫にしまわなければいけない」という理由で危険な館内に戻り、命を落としてしまったのです。「お金のために命を危険に晒すなんて」と思うかもしれませんが、現場で働く真面目な従業員の方々にとって、売上金の管理は決して無視できない重圧だったのだと思います。
もちろん、これは結果論であり、「あの時戻らなければ」とタラレバを言ってもどうにもなりませんが、今回はこの痛ましい出来事から派生して、店舗側から見た「キャッシュレス決済」の重要性と、お金の管理について少し考えてみたいと思います。
店舗側から見たキャッシュレスのメリットとデメリット
キャッシュレス化の文脈では、どうしても「消費者が現金を持たなくて済むから便利」という利用者側の視点ばかりが語られがちです。しかし、店舗側にとっても大きな意味があります。
店舗側のデメリットとしてよく挙げられるのは、「決済手数料の負担」と「キャッシュフローの遅れ」です。100円の売上でも数パーセントの手数料が引かれ、その売上が実際に店舗の口座に振り込まれるまでに時間がかかります。これらを理由に「うちは現金のみです」とするお店があるのも事実です。
しかし、それを補って余りあるメリットが「現金の管理業務からの解放」です。
これまでは閉店後にレジの現金を数え、1円でも合わなければ全員で探し回り、最終的にその日の売上を金庫に保管する、あるいは夜間金庫に預けに行くという物理的な作業が必要でした。キャッシュレス化が進めば、これらの作業はすべてデータ上で自動化され、従業員の負担は劇的に減ります。
安全性という観点でのキャッシュレス
さらに、あまり語られないメリットとして「防犯・防災面での安全性」があります。
中国でキャッシュレスが爆発的に普及した背景には「偽札リスクの回避」がありましたが、日本ではそれは稀です。しかし、「強盗リスク」の回避には直結します。
お店に現金を置いていなければ、強盗に「金を出せ」と脅されても「うちは完全キャッシュレスなので現金はありません。PayPayで送金しましょうか?」とは強盗も言えないわけです。現金の物理的な強奪リスクは限りなくゼロに近づきます。
そして今回の熊本の事故のように、災害時においても同様です。
もしあの店舗が完全キャッシュレス化されており、店舗内に管理すべき「現金」が一切存在していなかったら。そもそも「現金を金庫にしまうために戻る」という概念すら生まれず、このような悲劇は防げたかもしれません。
「地震などの災害時は停電でキャッシュレスが使えなくなるから現金が必要だ」とよく言われます。確かにインフラの脆弱性という面ではその通りですが、一方で「現金を物理的に管理・守らなければならないリスク」から解放されるという意味では、キャッシュレスは災害や防犯に対して非常に強い側面を持っていることも忘れてはいけません。
今後、ステーブルコインや新しい仮想通貨技術が普及すれば、店舗側の課題である「手数料」や「キャッシュフロー」の問題も解決に向かうはずです。悲しい事故から学ぶべき教訓として、社会全体のシステムやお金の在り方について、改めて考えさせられるニュースでした。