災害時になぜデマ情報が増えるのか


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

こんにちは。先日、熊本で大きな地震が発生しました。そして、大きな災害が起きるたびに問題になるのが「デマ情報の拡散」です。

今回は、この社会的不安とデマ情報の関係、そしてテクノロジーによる解決の可能性について僕の考えをお話しします。

不安とデマは、人間社会の避けられない「性(さが)」

地震などの大きな災害が起きると、多くの人が強烈な不安を抱きます。不安に駆られた人々は少しでも安心感や解決策を得ようと、無意識のうちに情報を求めます。そして、この「極度の不安」と「情報への飢え」が重なる緊急時こそが、デマ情報や陰謀論が最も広がりやすい環境なのです。

これはSNSやインターネットが普及したから始まったことではありません。中世のペスト大流行の時でも、関東大震災の時でも、古今東西、人間社会は大きな不安に直面するたびに根拠のない噂やデマを拡散させてきました。ある意味で、これは人間という生き物の社会的な「性(さが)」であり、情報リテラシー教育だけで完全にゼロにすることは難しいのが現実です。

テクノロジーで対抗する「フェイクとファクトの戦い」

では、どうすればいいのか。僕は「テクノロジーによる解決」が大きな鍵を握っていると考えています。

現在、生成AIの発達により、誰でも簡単にリアルな偽画像を作れるようになり、悪意を持ったフェイクニュースの手口は巧妙化しています。しかし一方で、プラットフォーム側も対抗策を打ち出しています。例えば、X(旧Twitter)のコミュニティノート機能のように、ユーザーの投稿の下に「この画像はAIで生成された可能性が高いです」と自動でラベリング(注意事項を表示)したり、デマ情報がアルゴリズムで表示されにくくなるような仕組みです。

AIを使って悪事を行う人がいるのなら、それを検知・抑制するのにもAIの技術を活用するしかありません。テクノロジーの進化がもたらした問題は、テクノロジーのさらなる進化によって解決していく。これからのSNSプラットフォームには、こうした技術的な防波堤の構築が強く求められています。

ネット社会の成熟と自浄作用

とはいえ、ここ最近のSNSを見ていると、少しずつですが希望も感じています。僕のタイムラインでは、今回の熊本地震に関する悪質なデマ情報は以前ほどは流れてきませんでした。

インターネットが普及し始めてからのこの25年間で、僕たちユーザーの精神性も確実に成熟してきていると感じます。昔はデマを鵜呑みにして大騒ぎする人が多かったですが、今は怪しい画像を見たら「これはAIで作ったフェイクじゃないか?」と斜に構えて見る人が増えました。

「デマを流すのは良くない」「情報源をしっかり確認しよう」という意識が多くの人に根付き、ネット社会全体に一種の「自浄作用」が働き始めているのは間違いなく良い傾向です。

デマを完全に無くすことはできなくても、テクノロジーの力と僕たち一人ひとりの冷静な目で、その被害を最小限に抑え込んでいくことは十分に可能です。災害時こそ、一呼吸おいて情報と向き合う姿勢を大切にしていきたいですね。