これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

エイベックスの創業者である松浦勝人さんがnoteで公開した記事が、最近大きな話題になっていました。エイベックス創業初期の裏話や、お金に対するリアルな価値観など、非常に興味深く面白い内容だったのですが、後日、松浦さん自身が「この記事はAIに書かせたものだ」と明かし、二重の驚きを与えてくれました。

AIが書いた記事は「嘘」なのか?

「AIが書いた」と聞くと、「じゃあ全部作り話で嘘っぱちじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。

松浦さんは、自身の60年分の人生経験や考え方、エピソードといった「本物のデータ」をAIに深く学習させました。AIはただの代筆ツールとして機能し、松浦さんの脳内にある事実や思考を整理して文章化しているだけなので、書かれている内容自体はまぎれもなく「本物の松浦さんの言葉」なのです。

情報過多時代における「属人性」の価値

ここから見えてくるのは、今後のAI時代におけるコンテンツのあり方です。

現在でもすでに情報は溢れかえっていますが、AIが文章や画像、動画を簡単に生成できるようになったことで、今後インターネット上はさらに爆発的な「情報過多・コンテンツ過多」の状態になっていきます。誰でもAIを使って、それっぽい綺麗な文章や物語を作れる時代が来るのです。

そんな「何でも作れる時代」において、人々は何を基準に読むものや価値あるものを選ぶのでしょうか。僕は、その究極の物差しこそが「属人性(その人だからこそ語れること)」になっていくと考えています。

松浦さんのnoteが面白かったのは、文章の構成が上手かったからだけではなく、「エイベックスを作り上げた松浦勝人という人物が、実際に経験し、何を感じたか」という、他の誰にも代替できない強烈な属人性があったからです。AIに「架空の音楽プロデューサーの成功ストーリー」を書かせることはできても、松浦さんのリアルな人生の重みや泥臭さをゼロから創作することはできません。

「人間であること」が重要になる未来

AIがすべての作業を効率化し、誰もが簡単にモノを作れるようになればなるほど、逆説的に「人間そのものの生き様」や「その人がどう生きてきて、何を感じたか」というリアルな体験の価値が高まっていきます。

技術が発展した未来では、AIの利便性に頼るだけでなく、「人間として生まれた意味」や「自分にしかできない経験」をより重要視する社会へと急速にシフトしていくはずです。この数年間、ずっとポッドキャストでもAIと人間の未来についてお話ししてきましたが、今回の松浦さんのnoteの件は、まさにその未来の到来を象徴するような出来事でした。

AI時代のコンテンツの本質について考えさせられる非常に面白い事例ですので、興味のある方はぜひ松浦さんのnoteを読んでみてください。