これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

こんにちは。最近、「あと半年から1年でインターネットがAIに乗っ取られる恐れがある」という非常にセンセーショナルな見出しのニュースがありました。

この「インターネットが乗っ取られる」というのは、映画のようにAIが世界中のインフラを物理的にシャットダウンさせる、という意味ではありません。AIが自律的にAI(ボット)を無限増殖させることで、インターネット上のありとあらゆる場所が「AIによって生成された無意味なアカウントやコンテンツ」で埋め尽くされてしまう、というシナリオです。

指数関数的な増殖の恐怖

ドラえもんに「バイバイン」という有名なひみつ道具がありますよね。1つのどら焼きが5分後に2個になり、次は4個、8個、16個……と増えていき、最終的には地球を埋め尽くしてしまうという話です。これがいわゆる「指数関数的な増加」の恐ろしさです。

AIがプログラムを書き、自律的に操作を行えるようになった現在、例えば「1分間に1つ、SNSのアカウントを作成して自動投稿するAIボット」を作ることは技術的に可能です。さらにそのAIが「自分と同じ機能を持つボットを1分間に1つコピーして作成する」という指示を与えられたらどうなるでしょうか。

最初の1分で2つになり、2分で4つになり、たった数時間で数百万、数億という膨大な数のボットがネット上に誕生してしまいます。その結果、X(旧Twitter)などのSNSのタイムラインは人間の投稿が一切見えないほどボットに埋め尽くされ、サーバーには無意味なデータが山のようにアップロードされ続け、最終的にはトラフィックのパンクによってインターネットのシステム自体がダウン(機能不全)してしまう可能性があります。これが「乗っ取り」の正体です。

「人間かAIか」を証明する手段が必要な時代へ

もちろん、SNS各社もただ指をくわえて見ているわけではありません。「AIによる無制限なアカウント作成」を防ぐためには、登録時に電話番号認証を必須にするなどの対策が現在も取られています。

しかし、AIの進化スピードは凄まじく、従来のCAPTCHA(画像認証)などはすでにAIの方が人間より早く正確に突破できるようになっています。このままでは、単純な認証システムだけではボットの増殖を防ぎきれなくなるかもしれません。

だからこそ、これからのインターネットにおいては「このアカウントを操作しているのは、紛れもなく生身の人間である」ということを強固に証明する仕組みが絶対に必要になります。マイナンバーカードと連携した厳格な身元確認や、以前話題になった「Worldcoin(World ID)」のような生体認証(虹彩スキャン)による人間性の証明技術が、今後のインターネットをボットの群れから守るための重要な鍵になってくるでしょう。

「あと半年」という期間が現実的かどうかはともかく、指数関数的に進化するAIとどう共存し、人間のためのインターネットの領域をどう守っていくのか。これは、これからの社会にとって非常に切実で重要なテーマだと感じました。