こんにちは。最近、インターネット上で「ドパガキ」という言葉を目にする機会があり、気になって調べてみたところ、非常に現代的なテーマに行き着いたのでお話ししたいと思います。
(※ファクトチェック補足:「ドパガキ」とは「ドーパミン中毒のガキ(子ども)」を略したネットスラングです。YouTubeショートやTikTok、SNS、ゲームなどの次々と切り替わる強い刺激(ドーパミンが分泌される状態)に慣れきってしまい、長時間の動画や文章に集中できず、常に新しい刺激を求めてしまう若年層などを揶揄・指摘する言葉として広まりました。)
「ドパガキ」は子どもだけの問題ではない
「ガキ」という言葉がついているため子どもを対象にした言葉のように思えますが、実はこれは大人にも十分に当てはまる現象です。20代でも30代でも、X(旧Twitter)やTikTokを開いて、次から次へと流れてくる短い動画をスワイプし続けてしまい、気づいたら時間が溶けていた……という経験は誰にでもあるはずです。
スマホから得られる短い情報や動画は、まるで短距離走のように脳に即座に刺激を与えてくれます。僕自身もショート動画の面白さは理解していますし、ついつい見てしまうので、この「短い時間でドーパミンを出す構造」に需要が集まるのは非常によく分かります。
一方で、親が忙しい時に赤ちゃんや小さな子どもにスマホやiPadを渡してYouTubeを見せておくと、とても静かになって助かる、という現実的な側面もあります。親にとってもスマホは「育児の助け」になる部分があり、一概に「スマホを取り上げるべきだ」と簡単に言えないのが、この問題の難しいところです。
エンターテインメントの「短距離化」と制作側の事情
こうしたドーパミン的な刺激に慣れると、「長時間の動画や文章をじっくり読み解く忍耐力(集中力)がなくなるのではないか」という懸念が世界中で議論されており、未成年のスマホ利用を規制する動きも出ています。しかし、これが本当に人間にとって決定的なマイナスになるのかどうかは、まだ未知数な部分もあります。
そして、この「ドパガキ」的な消費スタイルに合わせて、エンターテインメントの形自体も確実に変化しています。
例えば映像作品では、45分のテレビドラマをじっくり作るよりも、1〜2分のショートドラマをスマホ向けに大量に作る方が、キャスティングや撮影のコストが圧倒的に安く済みます。音楽の世界でも、5〜6分ある長い曲よりも、イントロが短くて展開が早く、様々な要素が2分台〜3分台にギュッと凝縮された「すぐにサビが来る曲」の需要が高まっています。これは制作側にとっても、現代の消費スタイルに合わせた合理的なアプローチと言えます。
エンターテインメントの最適な長さや形は、その時代のメディアや人々のライフスタイルによって変わっていくものです。現在の「より短く、より刺激的に」という短距離走のようなエンタメのトレンドを否定するのではなく、僕たち作る側も、そして楽しむ側も、その特性を理解した上で付き合っていく必要があるのだと感じました。