こんにちは。今回は、総務省がpixivやnoteなどを新たに「大規模プラットフォーム事業者」に指定したというニュースについて解説し、そこから見えるインターネットと誹謗中傷の現状についてお話ししたいと思います。
「情プラ法」と大規模事業者の義務
インターネット上での権利侵害(誹謗中傷など)に対処するために作られたのが、この「情報流通プラットフォーム対処法」です。この法律に基づいて「大規模特定電気通信役務提供者」に指定された企業には、明確な義務が課せられます。
具体的には、違法・有害な書き込みなどに対する「削除対応の迅速化」や、その「運用状況の透明化」を適切に行わなければなりません。
昨年すでにGoogleやX(旧Twitter)、Meta(Facebook)、TikTokなどの海外の巨大プラットフォームや、国内でもサイバーエージェント(Ameba)、爆サイ.com、ニコニコなどが指定されていましたが、今回はそこに新たにpixivやnoteなどが追加された形になります。指定されたということは、それだけ多くの人が利用する巨大なメディアに成長した証拠でもありますね。
インターネットの歴史と自浄作用の広がり
もちろん、この法律に指定されたからといって、世の中から一瞬で誹謗中傷が消えてなくなるような単純な話ではありません。
過去20年ほどのインターネットの歴史を振り返ると、かつての「2ちゃんねる」のような匿名掲示板の時代は、こういった法律の網をかけるのが非常に難しく、「ネットの誹謗中傷が嫌なら、ネットから出て行け(見なければいい)」という自己責任論がある程度容認されていた空気がありました。
しかし、コロナ禍に入ったあたりから、社会の風向きが明らかに変わってきたと感じます。「ネット上の誹謗中傷は絶対に良くないことだ」「企業も社会も、それを許さない仕組みを作らなければならない」という認識が、一部の人たちだけでなく、社会全体で共有されるようになってきました。
僕自身、以前はポッドキャストなどでネットの誹謗中傷問題についてよく話していましたが、最近あまり話さなくなったのは、僕の興味が薄れたからではありません。わざわざ僕が声を大にして語らなくても、世の中全体が「誹謗中傷は良くない」という共通認識を持ち、今回のような法律の整備や各プラットフォームの対応が進み始めたからです。
とはいえ、今後もし「分散型SNS」のような特定の管理企業が存在しないサービスが完全に主流になった場合は、削除要請すら誰にもできないという新たな課題が生まれる可能性もあります。
星の数ほどあるウェブサービスの中で、国ができることは今回のような枠組みを作って指導していくことだと思います。社会全体でネット環境をより良くしていこうという流れの象徴的なニュースとして、今後もこうした動きには注目していきたいと思います。