こんにちは。今年で誕生から30周年を迎えるバンダイの「たまごっち」から、世界最小となる指輪型デバイス「Tamagotchi ring(たまごっちリング)」が発売されるというニュースがありました。
たまごっちといえば、今から30年前、スマホはおろかガラケーすら普及しきっていなかった時代に、「常にキャラクターを肌身離さず持ち歩く」という概念を生み出した非常に先進的なデバイスでした。一時期ブームが落ち着いたこともありましたが、今またこうして新しい形で復活し、話題になっているのは本当にすごいマーケティング力だと思います。
「常にそこにいる」という物理デバイスの価値
今回の指輪型たまごっちは、アイデアとして非常に素晴らしいと思います。なぜなら、たまごっちの本質は「常に自分と一緒にいる」という体験(UX)にあるからです。
現在、たまごっちはスマホアプリとしても展開されていますが、スマホアプリと物理的な専用デバイスとでは、決定的な違いがあります。それは「アプリは自分から起動しないとその世界(キャラクター)が現れない」のに対し、指輪やキーホルダー型の物理デバイスは「パッと目をやった瞬間に、そこに存在している」ということです。
「スマホでもプッシュ通知が来るから同じじゃないか」と思うかもしれませんが、やはり感覚的に全く別物です。「常にそこにいて、自分と時間を共有している」というリアルな実在感こそが、たまごっちというコンテンツの最大の魅力であり、だからこそスマホアプリだけでなく、わざわざ身につける物理デバイスで展開することに意味があるのだと思います。
ARグラスがもたらす「究極のデジタルペット」の未来
そして、この「常にそこにいる」というユーザー体験(UX)の文脈で僕が次に期待しているのが、スマートグラス(ARメガネ)の普及です。
今後、Apple Vision Proのような空間コンピューティングや軽量なARグラスが日常的に普及し、朝起きてから寝るまでメガネ型デバイスをかけ続ける時代が来ると予想しています。
ARグラスが普及すれば、現実の空間にデジタルな物体やキャラクターを常に表示させておくことができます。つまり、自分の部屋のソファの上や、歩いている時の自分の足元に、ARのたまごっち(AIペット)を「常に存在させる」ことができるようになるのです。
ふと横を向いたらAIペットがいて、指でツンツンと触るアクションをすると反応してくれる。さらにそのAIペットが裏側でClaudeやChatGPTなどの優秀なAIと連携していれば、単に愛でるだけでなく、スケジュールを管理してくれたり、仕事のサポートをしてくれる「優秀な秘書」にもなり得ます。
ARグラスが普及した暁には、間違いなく「ARペット」、そしてその次には「AR彼女(彼氏)」といったコンテンツが大ブームになるでしょう。家に帰ったら大好きなキャラクターがいつも部屋で待っていてくれる、という未来は100%やってくると断言できます。
たまごっちが30年の時を経て「指輪」という新しい物理デバイスになったニュースを見て、キャラクターと人間の「一緒にいる」という体験が、これからAR時代に向けてどのように進化していくのか、さらに楽しみになりました。