これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

こんにちは。今回は、少し前に話題になった静岡県のとある市の市長さんが学歴を詐称し、それが発覚して結果的に辞職に追い込まれた事件について、僕が気になった2つのポイントをお話ししたいと思います。

1. 学歴の自己申告制と証明の曖昧さ

まず1つ目は、「そもそも選挙や日常生活において、どこを卒業したかなんて誰にも分からないよね」という点です。

例えば僕が「慶應大学を卒業しました」と言ったとして、皆さんが僕の卒業証書を直接見たわけではありませんし、本名を明かしていなければ大学側に問い合わせることもできません。選挙に立候補する際も、基本的には経歴は「自己申告」であり、わざわざ有権者全員に卒業証書を見せて回るわけではありませんよね。

これまでにもタレントの経歴詐称などが話題になったことがありましたが、世の中の「〇〇卒業」「元〇〇所属」といった情報の多くは、その人の言葉を信じるという曖昧な土台の上に成り立っています。本当にその人がそこを卒業したのかを厳密に疑い出したらキリがありませんし、日常的にそこまで厳密な証明を求められる場面は実はあまり多くないのです。

2. 偽造の手段とテクノロジーによる解決策

2つ目に気になったのは、証拠となる「偽造された卒業証書」の出所です。

報道によれば、インターネットのオークション等で他人の本物の卒業証書が売られており、そのデータを入手してパソコン上で自分の名前に書き換えて(有印私文書偽造)作成したとされています。

「そもそも他人の卒業証書なんて何のために売っているのか?」と呆れてしまいますが、それを買って悪用する人がいるから市場が成り立っているのでしょう。パソコンの画像編集ソフトを使えば、素人でもそれらしい証書を偽造できてしまう時代です。紙の証書という物理的な「モノ」で経歴を証明することの限界がここにあると思います。

僕は以前からポッドキャストで話していますが、こうした経歴証明の問題は、マイナンバーカードのようなデジタルIDと、ブロックチェーン技術(NFTやWeb3のウォレットなど)を組み合わせることで完全に解決できます。

大学側が卒業生に対して、改ざん不可能なデジタルの「卒業証明NFT」をウォレットに発行すれば、誰がどう見てもその人が本物の卒業生であることが一目で分かりますし、他人のものを買ったり偽造したりすることは100%不可能になります。

中退でも良かったのでは?というそもそも論

そして究極のそもそも論として、「なぜ見栄を張って卒業したと嘘をついてしまったのか」という疑問が残ります。

仮に「〇〇大学中退」であったとしても、市長になる資格がないわけではありませんし、その後の実績や人間性で有権者に訴えかけることは十分にできたはずです。不要な見栄や嘘が、結果として偽造という犯罪行為にまで発展し、自らの首を絞めることになってしまいました。

今回の事件は、人間の見栄の恐ろしさと同時に、現在の社会における「経歴証明の曖昧さと脆さ」を浮き彫りにした出来事だったと思います。