これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

こんにちは。今回は、世界的な大ヒットゲームシリーズの最新作『グランド・セフト・オートVI(GTA6)』の未公開プレイ映像がネット上にリーク(流出)し、制作会社が謝罪声明を出すという出来事がありましたので、この「リーク」とエンターテインメントの関わりについて僕の考えをお話ししたいと思います。

「意図しないリーク」と「意図的なリーク」

今回ロックスターがわざわざ謝罪声明を出したということは、この映像流出が彼らにとって「本当に意図しない、想定外の重大な漏洩」だったことを意味しています。

一方で、世の中には「意図的なリーク(お漏らし)」と思われるものもたくさん存在します。
例えば、Appleの「折りたたみiPhoneが2026年9月に発表される」といった噂や、過去に「Appleのエンジニアが開発中の未発表iPhoneをバーに置き忘れてしまった」という有名な事件がありました。Appleがそのたびに「情報が漏れて申し訳ありません」と謝罪することはありませんよね。むしろ、新製品の発表前に少しずつ情報を漏らすことで、世間の「次はどんな形なんだろう?」という期待感(ファンダム)を煽り、発表日当日の盛り上がりを最大化させるための高等なマーケティング戦略(話題作り)として機能している側面があるのかもしれません。

情報統制の限界と現代のマーケティング

現代のインターネット社会において、開発中のプロジェクト情報を完全に隠し通すことは不可能に近いです。僕自身も音楽や映像などの制作に関わっていますが、未発表のデータがパソコンの中に入っていて、仕事のやり取りで様々な人がその情報にアクセスします。セキュリティの厳しいファイル共有サービスを使おうが、結局は「人の口に戸は立てられない」のです。飲み会の席でつい「今、あの仕事やってるんだよね」と喋ってしまう人が一人でもいれば、情報は簡単に漏れてしまいます。

だからこそ、情報を完全に遮断しようと躍起になるのではなく、逆に「情報が漏れること」を前提とした上で、それをどうエンターテインメントの盛り上げやプロモーションに昇華していくか、という「情報のコントロール」が今の時代のビジネスには求められています。

今回のGTA6のように、開発中の見せたくない部分が意図せず流出してしまうのは企業として非常に痛手だったと思いますが、仮に映像がリークされたからといって、世界中のファンが「リークを見たから買うのをやめよう」となるわけではありません。むしろ「早く完全版をプレイしたい」という熱が高まった人も多いはずです。

昔から週刊誌のスクープやゲームの裏技情報(FF7のナイツオブラウンドなど)という形で「事前の情報漏洩」は存在しましたが、ネット社会になってそのスピードと影響力は格段に上がりました。テレビCMや新聞広告といった王道の宣伝だけでなく、こうしたアンダーグラウンドな情報流通をどう味方につけるか。僕自身はこういう戦略を設計するのは苦手ですが、現代のエンタメ業界における情報戦の難しさと面白さを改めて感じさせられるニュースでした。