こんにちは。先日PodcastでAI社員のお話をしたばかりですが、AIと会話・映像に関する興味深いニュースや事例が立て続けに話題になっていたので、僕の考えをお話ししたいと思います。
「AI替え玉面接」の動画が示唆する未来
X(旧Twitter)などのSNSで、ある企業のオンライン面接に「AI(アバター)を使った替え玉」が参加してきたという動画が話題になっていました。
実際の動画を見ると、音声に対する口の動き(リップシンク)が全く合っておらず、受け答えのトーンもいかにも「ChatGPTのようなAI構文」だったため、面接官が不審に思って途中で面接を打ち切るという内容でした。
今の2026年のクオリティでは、「映像の違和感」や「口の動き」でまだギリギリ見抜けるレベルです。しかし、もしこれが映像なしの音声通話だけで、しかも外国人名義のアカウントで「日本語が少し不自然なのは仕様かな」と思わせるような設定だったとしたら、もしかすると人間はAIだと気づかずに面接を終えていたかもしれません。
時代がここまで来たか、と痛感しました。
『ライザのアトリエ』AIチャットRPGの可能性
もう一つ、会話型AIの事例として最近話題になっているのが、スマートフォン向けアプリの『RyzaChat:AI ライザと創るあなただけのひと夏の夢物語』です。これは人気ゲーム『ライザのアトリエ』のキャラクターとAIを通じて自由に会話(チャット)をしながら物語を進めていくという、新しいタイプのフリーシナリオ型RPGです。
(※ファクトチェック補足:2026年8〜9月にかけて、SpiralAI株式会社が開発した『RyzaChat:AI』がリリースされました。AIを用いた自然な会話やテキスト生成が特徴ですが、一部では課金要素が強いことなどで賛否両論のバッシングも起きています。)
僕も少しだけインストールしてチュートリアルを触ってみたのですが、AIとの音声・テキストのやり取りが非常にスムーズで、キャラクターが本当にそこにいて話しているかのような高いクオリティに驚きました。「裏でどういうAPIが動いているんだろう」と技術的な観点からも非常に興味深いです。
一方で、1回のAPIリクエスト(会話の生成・音声変換など)には数円のサーバーコストがかかります。プラットフォームの手数料などを考慮すれば、ゲーム会社としても「無料で無制限に会話させる」のは不可能であり、課金圧が強くなってしまうのはビジネス構造上、ある程度仕方のないことだと思います。
「バーチャルヒューマン」が当たり前になる2030年代
今後、技術の進化によってサーバーコストは圧縮され、さらにグラフィックも高品質な3Dに進化していくでしょう。『RyzaChat:AI』のようなスムーズな会話システムと、先ほどの「AI替え玉面接」で使われたようなアバター映像技術が組み合わされば、ビデオ通話でリアルタイムに会話ができる「完全なAIアバター(バーチャルヒューマン)」が完成します。
来年あたりには、僕のパソコンの画面の中にAIアシスタント(例えば僕の作っている『たまご』のようなキャラクター)が常駐して、普通に仕事のやり取りを音声でこなしてくれるようになるかもしれません。
さらに2030年代に入れば、ウェブミーティングに参加している相手の部署の人が、実は人間ではなく「最初からAIとして稼働しているバーチャル社員」だった、なんてことが当たり前になる時代が来ると思います。
この急激な変化に対して「ディストピアだ」と恐怖を感じる人がいるのも当然ですが、僕は新しいテクノロジーがどう進化していくのか、楽しみのほうが大きいです。バーチャルヒューマンの開発には僕自身もとても関心があるので、これらの事例のバッシングも含めた世間の反応を、引き続き興味深く見届けていきたいと思います。