QUESTIONより:世の中から差別がなくなる二つの方法


QUESTIONより

「いじめはダメだ」と学校で子供に教えても、それを言っている大人の世界でもまたいじめ(差別)は存在するのが現実。 うちの会社でも”特別扱い”という差別があるのもまた現実。 どうしたら世の中から差別が無くなるんだろう…ってふと考えてしまいました。 彩雨さんはどうしたら無くなると思いますか?


差別が世の中からどうしたらなくなるのか。これは難しい問題でもあります。

どうしたら…そうですね、ネガティブ方面から考えると、そもそも差別はなくならないのではないかとも思っています。というのも、人は全員違うものです。顔も身長も年齢も、同じではありません。違うのだから、例えば運動だったら運動能力が優遇されることは当然で、全員がサッカー選手になれるわけではありません。それは実際には差別ではなく区別ではあるのですが、能力の差によって分けられるということになります。

人も好きな人もいれば嫌いな人もいるわけで、好かれる人がちやほやされるのも当然なことです。好かれている差によって分けられる、ということです。

また、人は不安な生き物です。そしてよくわからないものを怖いと思う生き物です。違う民族の人、特定の地域の出身の人など、知らないと不安になり距離を置きたくなります。理解を得られている差によって分けられる、ということです。

差別のない世界とは

これもネガティブな方向からの考えですが、差別のない世界を作る一番手っ取り早い方法は、人類が絶滅することです。人類が全員いなくなれば、差もなくなります。

しかし、こういう発想が通用するのは中学二年生までです。

現実的に考えてみましょう。差別をなくすために、どうやったら差をなくせるか、を考えてみましょう。

人間は根本的に差がある生き物です。生まれながらの体系や能力について差をなくすのは生物学的に難しいですが、例えば資産などの差をなくすことは可能です。この世の中に存在するすべての土地や財産など含めたあらゆる物事を、全員で管理し全員の所有物にしてみる、という考え方です。こうすれば、少なくとも貧富の差などはなくなります。

平たく言えば、共産主義のことです。

しかし、こういったことを社会で実際に実現しようとするのは、思いのほか難しいことなのかもしれません。この200年間、あらゆる試みをしてきたものの、名だたる政治指導者たちも、完璧な共産主義をいまだ実現できずにいます。

人を差別する背景にあるもの

血液型占い、動物占い、六曜と、時代が経てどなにかによって区別するのが好きなのが人間です。この背景には、そうやって区分される安心感もあるのかなと思います。多かれ少なかれ、人間は差別をする生き物なのだと思います。差別することで安心感を得たいのではないかと思います。差別の背景には不安があります。

差別をなくすためには、不安を取り除くことです。そのための方法は二つです。ネガティブ方面に進めるなら、忘却です。過去にいろいろあって差別が生まれているならば、過去のことを捨てて忘れてしまえばいい。差別された側も、差別した側も、昔のことを知らないで普通に一緒にいたら差別なんて生まれません。今ある固定観念、築き上げた歴史、物事の考え方、すべて忘れ、捨ててしまえばいいのです。

ポジティブ方面に進めるなら、理解です。お互いのことをしっかり理解し、不安がなくなれば差別もなくなります。

この忘却と理解、現代はこの二つのアプローチで世界で起きている差別は100年前より徐々に少なくなっているのではないかとも思います。

 

とはいえ、質問者さんが最初にいっていた会社の特別扱いについては、これでは解決しないことかもしれませんけどね…。あいつばっかりずるい!っていうのは差があることを認められているとも受け取れるので、逆に自分がずるい立場になれる可能性もあるということです。前向きに、一発かましてやりましょう!