思わぬメリットも!「ビジネスネーム」が徐々に普及している


これはニュース読み配信の文字起こしをブログ化したものです

なぜ広がる?ストーカー・カスハラから身を守る新しい常識

ビジネスネーム導入の最大の目的は、従業員のプライバシーを守り、安心して働ける環境を作ることです。過去には、本名からSNSが特定されストーカー被害に遭ったケースもあり、理不尽なクレームや迷惑行為を防ぐための自衛策として注目されています。

この動きは一般企業だけでなく、大阪府寝屋川市が窓口職員に仮名の使用を認めたり、京王電鉄バスグループが導入を選択制にしたりと、公的サービスにも拡大。従業員からは「プライベートと区別でき、仕事のスイッチが入る」「精神的負担が減った」と好意的な声が上がっています。

「別人格」が生むメリットと、導入時の注意点

ビジネスネームを持つことで、従業員は「仕事用の別人格」として振る舞うことができます。この心理的な切り替えは、クレーム対応などのストレスがかかる場面で冷静さを保つ助けとなり、精神的な安心感につながります。

一方で、導入には注意も必要です。会社の雰囲気に合わない名前は取引先の信用を損なう可能性があり、社内外で名前が違うと同一人物だと認識されにくい問題も指摘されています。あくまで、社会的な信頼性を失わない範囲での運用が求められます。

キャリアと信頼性——ビジネスネームが直面する課題

ビジネスネームの普及には、まだ解決すべき課題もあります。例えば、医師などが偽名を使うと過去の経歴が検索できず、キャリアの透明性が失われるという指摘があります。また、転職の際にビジネスネームでの実績が本名と結びつかず、キャリアが引き継ぎにくくなる可能性も考えられます。

フリーランスの世界ではペンネームは既に一般的ですが、会社員として普及させるには、給与支払いや契約といった実務的な問題をマイナンバーなどで管理する仕組みも必要になるかもしれません。課題はありつつも、個人の尊厳を守る働き方として、ビジネスネームという考え方は今後さらに広がっていくかもしれません。