どうして!?マイナンバーカードを手放す人の心理


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

先日、母と会う機会がありました。 普段からちょこちょこ会っていて、パソコン周りでわからないことの代わりをしたりしているのですが、今回は母がちょっと住民票を移す(転出・転入の手続きをする)ことになり、その手伝いをしてきました。

母が役所に行った際、「マイナンバーカードでできますよ」と言われたもののやり方がよくわからず、役所の人に「ご家族の方にやってもらってください」と言われたそうです(笑)。すごい説明だなと思いましたが。

マイナンバーカードでできる手続きの便利さと課題

実は今、マイナンバーカードがあればスマートフォンから「マイナポータル」アプリを使って、住民票の「転出届」をオンラインでサクッと提出できるんです。 ただ、「転入届(新しい住所への登録)」に関しては、最終的に役所の窓口に行く必要があります。新しい住所のカードの書き換えなどがあるので、まあそれは仕方ないですよね。

100%すべて自宅で完結するわけではありませんが、それでもマイナンバーカードを使ってこういった手続きがオンラインでできるのは、非常に便利だと思います。

とはいえ、マイナポータルのアプリが使いやすいかと聞かれると、確かに変なところ(UIのわかりにくさ等)があるのは否めません。 それに、転出届や戸籍謄本の取得、確定申告などは、人生の中でそう何度も頻繁に行うものではありませんよね。 現状、日常的に「便利だ!」と実感できる場面がまだまだ少ないため、「別にこんなカードいらないんじゃないか」という意見が出るのも、わからなくはありません。

「マイナンバーカードを手放す(返納する)人」の心理

最近、ニュースで「マイナンバーカードを手放した(返納した)人が約97万人いる」という話題がありました。 (※事実確認の補足:実際に、2023年頃からマイナンバーカードの相次ぐ紐付けミスなどのトラブルを受け、自主的にカードを返納する人が増加し、その件数がニュースで大きく取り上げられました。数字の規模については諸説ありますが、数十万人規模での返納があったのは事実です。)

「まだ作っていない」のではなく、わざわざ役所に行って「手放す(返納する)」わけですから、結構な人数ですよね。

なぜわざわざ手放すのか? これは私がTwitter(現X)にも書いたのですが、マイナンバー制度の本質は「国民総背番号制」です。 「国民を番号で管理する」というと聞こえが悪いので、「マイナンバー」というカタカナにして濁したのだと思いますが、日本国民である以上、生まれながらにして全員に番号が強制的に割り当てられています。

つまり、カードを「持っている・持っていない(返納した)」に関わらず、すでに全員が番号で管理されており、この制度から逃れることはできません。 「カードを返納したからといって管理されなくなるわけではない」のですが、それでも「カードを持つのが嫌だ」という心理が働くのはなぜでしょうか。

これは私の主観ですが、「国に管理されているようで気持ち悪い」という不信感や、「新しいシステム(AIなど)は嫌だ」「ワクチンは嫌だ」といった、未知のものや国主導の政策に対するある種の感情的なアレルギーに近いものを感じます。

全員が持つことで初めて「真の利便性」が生まれる

今後、マイナンバーカードの役割は確実に増えていきます。 すでに健康保険証との一体化が進められ(色々とバチバチ揉めていますが)、運転免許証との一体化も始まろうとしています。将来的には、ライブやコンサートの本人確認など、民間レベルでもマイナンバーカードのシステムを利用するようになるかもしれません。

これからのインターネット社会において、「この人は間違いなく本人である」という身分証明をどう行うか。 国が発行するマイナンバーカードのような公的なものに頼るか、あるいは「Worldcoin(ワールドコイン)」のように、民間が虹彩(生体認証)を使って証明するシステムに頼るか、どちらかになっていくでしょう。

こういった社会インフラは、「全員がシステムに登録(カードを所持)する」ことが大前提です。 100%切り替わらない限り、国や自治体は「カードを持っている人用のシステム」と「持っていない人用のアナログな手続き(紙や手作業)」の両方を維持しなければならず、そこに無駄なコスト(税金)がかかり続けてしまいます。

ワクチンの集団免疫の考え方と少し似ていて、「みんなが持つ(打つ)ことで初めて社会全体が便利になり、コストが下がる」のですが、これを全員に理解・納得してもらうのは本当に難しいですよね。理屈だけで動くわけではありませんから。

国のシステム構築と民間の活用への期待

ただ、手放す人が増えてしまうのには、国側の責任もあります。 システムを作るのに多額の税金がかかっているのは事実ですし、紐付けミスなどのトラブルがあれば不信感が募るのも当然です。

そして何より、「国そのものがマイナンバーカードのメリットをまだ活かしきれていない(できることが少なすぎる)」という課題があります。 民間企業がもっと自由に、かつ安全にマイナンバーカードの認証システムを活用できるような仕組みが広がれば、「これがないと不便だ」と誰もが実感できるようになるはずです。

現状では、私も年に1回の確定申告の時くらいしか本格的に使う機会がありませんからね(笑)。 もっと日常的な活用シーンが増えて、便利さを実感できる未来になってほしいなと思います。

今日は、マイナンバーカードの返納ニュースから考えた、社会インフラと国民の心理についてお話しさせていただきました。 それでは、また次回お聴きください。さようなら。