QUESTIONより
バンドを宣伝する媒体は何が良いと思いますか?最近、終演後などにフライヤーを手渡しするバンドマンが減ったなと思い、疑問に思いました
なるほど、まぁたしかにひところに比べれば減ったかもしれませんね。
フライヤー配布やポスターの意味
昔に比べると印刷なども格安でやってくれるサービスも増えていますし、いい世の中になっているとは思います。
フライヤー配布というアナログな方法も、決して意味がないわけでもありません。
ここ10年以上はインターネット時代ですので、宣伝などもSNSなどが中心となってきました。
それでもフライヤーやポスター、さらには雑誌など、そういったアナログ的にどこかで目にする、というのはとても意味のあることです。
SNSもTwitterのようにリツイートで偶然目にするということはありますが、ポスターなどは無差別、強制的に情報を与えることができますからね。この差はとても大きいです。
いつCDがでるとか、どんな曲なのかとかの具体的な情報よりも、バンド名とビジュアルイメージ、そしてツアーファイナルの会場、この3つを瞬時に送信できるかどうかが重要です。
これはV系バンドに限る話ではありません。
例えば選挙の街宣カーも同じことです。名前を何度も連呼して、悪評判を高めているだけ!みたいに考える人もいるかもしれませんが、それでも…
「なんとなく知っているような気がする」という理由で意外と名前が書かれるものなのです。
インターネット社会ではありますが、ポスターやフライヤー配りというのは現代に置いても非常に重要な宣伝手法です。以前だったら雑誌広告などもそうですね。
それがすなわち「なんとなく知ってるような気がするバンド」へとなることができる方法の一つです。
インターネットと広告
無差別かつ強制的な情報送信という意味では、例えばテレビのCMであったり、街にトラックを走らせるといった手法が一般的です。
これはいまでももちろんそうで、宣伝効果はもちろん莫大なものがあります。
ですが、そういった手法も膨大な宣伝費を使える潤沢な資金があってこその話です。
インターネットが登場し、広告の形にも変化が現れました。
例えばGoogleは音楽関連で検索する人に音楽関連の広告を見せるといった、興味や目的にピンポイントで的を得た広告を出す仕組みを作りました。
これまでは定食メニューしかなかった宣伝方法も、インターネットの登場によっていかに効率的に行えるかをみんなが考えるようになります。選択肢が広がりました。
また、インターネット登場以前はそこまで重要視されていなかった口コミに関しても、現在はいわゆる「バズる」ことにより、すさまじい宣伝効果を発揮することになります。
そのため、一人で何百万人、何千万人に訴えるタイプのこれまでの広告よりも、一人で数千人に訴え、それを増やしていくようなインフルエンサーマーケティングが重要視されるようになったのも、この時代の特徴です。
バンドを宣伝する媒体はなにがいいのか
では、バンドを宣伝する媒体はなにがいいのか。これは難しい問題です。
使えるお金には限りがあります。アニメのタイアップを取り、人生をそれに賭けるのもアリかもしれません。メディアには一切かかわらず、すべての金でフライヤーを印刷しまくり、全国のライブハウスやCDショップ、スタジオなどに撒くのもありかもしれません。
逆にインターネット関連に広告を出しまくり、YouTubeでV系バンドの検索をする人たち全てに自分たちのMVを出すのもいいかもしれません。
インフルエンサー的に考えるならば、V系ファンのフォロワーが多い人に、お金を渡してさりげなくSNSで宣伝してもらうとかね。なんか夢のない言い方のように聞こえるかもしれませんが、現代ではよくある宣伝手法です。
すべての予算を均等に、あらゆるものに手を出すのもいいかもしれませんが、ちょっとそれだと埋もれてしまうかもしれませんね。今の時代感としてはどうだろう。
どれだけいい音楽をやっていても、見てもらわないことには、聞いてもらわないことにはなにもはじまりません。
コンテンツが飽和している時代なので、マスメディアのゴリ押し作戦もそこまで通用しなくなってるのかな、と実感することもあります。同じように情報も飽和しているので、SNSに投稿しTwitterにMVを載せたところで、みんなが勝手に聞いてくれるわけでもないです。
いったいどうやれば…これは全国のバンドマンだけでなく、事務所、レコード会社、さらにはどのすべての業種の宣伝担当の人も頭を悩ませている問題でしょうね。