大阪府に、大仙陵古墳という日本最大の前方後円墳があります。
いわゆる仁徳天皇陵です。小学校時代に歴史の授業で、名前だけなんとなく知ってる人も多いことでしょう。
そんな大仙古墳が、世界遺産に登録されるかもしれません。
ユネスコから勧告されちゃった
世界遺産に登録するようユネスコから勧告されることってあるんですね。
もともとは以前より文化庁が推薦していたもので、その後、登録の可否を事前に審査する国際記念物遺跡会議(イコモス)が調査を進めていたようです。その結果を受けて、今回の勧告となったわけです。
勧告となった場合は世界遺産に登録される可能性は極めて高いようで、今年の6月に昨年の隠れキリシタンに続いて連続で世界遺産が日本から登場することになります。
指定を受けるのは、仁徳天皇陵だけではなくその周辺の古墳すべてです。
複雑な思いの世界遺産
大仙陵古墳は現在の研究によると、5世紀ごろに作られたものとされています。
仁徳天皇陵という名前からもわかるように、仁徳天皇のお墓です。お墓です、というか、お墓とされています。実は、正確なことはわかっていません。
江戸時代に仁徳天皇のお墓であると決まり、それ以来そうなってます。
実際どうなのかというといろいろ意見もあるようで、仁徳天皇陵という言い方をしないケースもあるそうです。
巨大なお墓という意味では、ピラミッドなんかと一緒ですね。
世界遺産に相当する歴史的建造物であることには変わりありません。
仁徳天皇陵をはじめ、多くの古墳は本格的な調査がしにくい場所でもあります。
歴史的建造物であるという意味では文化庁のカテゴリーでもあれば、天皇陵ということで宮内庁のカテゴリーにも属します。
昨年には宮内庁と堺市が初めて共同で古墳の調査を行いました。
現在は古墳の調査をもっと積極的に行い、情報を公開すべきという考えもあり、今回の世界遺産登録がそれを後押しするかもしれません。
いったい、中はどうなっているのか。本格的な発掘調査を行えば、もっといろいろなことがわかるかもしれませんが、それでも天皇のお墓です。なかなか倫理的にも精神的にも、じゃあなんでも掘り起こせるかというと、そこまでやっていいものかと思ってしまいます。
最近は火星に前方後円墳があった!みたいな感じで国内外の都市伝説系は盛り上がりを見せています。これを機にめっちゃ調査してほしいという気持ちもあれば、なんか世界遺産とかに登録しないでこのままそっとしてたらいいのに、という気持ちが混在しています(笑)