写真や映像等の著作権は無償譲渡!?東京オリンピックのチケット規約がなかなか強烈!


東京オリンピックのチケット予約が始まっていますが、みなさんはなにか申し込みされましたか。

(自分はなんだかんだでまだやってないです)

さて、このSNS全盛期のオリンピック、気になるのが写真や撮影についてです。

この東京オリンピックはTwitterやInstagram、さらにはYouTubeと多くの写真や映像が来場者のみなさんによって撮影されることになるでしょう。

しかし、そのチケット規約にはそれら写真や映像についての記述があると話題になっています。

詳しいことはこちらの規約にあります。

東京2020チケット購入・利用規約|東京2020公式チケット販売サイト

「東京2020 公式観戦ツアー提供事業者」とは、東京2020オリンピック公式観戦ツアー(第32回オリンピック競技大会(2020/東京)のチケットを含んだ日本国内の旅行パッケージ商品)または東京2020パラリンピック公式観戦ツアー(東京2020パラリンピック競技大会のチケットを含んだ日本国内の旅行パッケージ商品)の提供事業者として当法人から選任された者をいいます。

ここの撮影に関する33条を見てみましょう。

YouTuber以外もチェックを!規約がなかなか強烈!

まず写真や映像の撮影についてですが、撮影禁止となっている場所以外では問題なく撮影することができます。

チケット保有者は、会場内において、写真、動画を撮影し、音声を録音することができます。

また、それらの写真は非営利でしたらSNSなどへの投稿もできます。

チケット保有者が会場内で撮影・録音したコンテンツを個人的、私的、非営利的かつ非宣伝目的のために利用することができる制限的かつ取消可能な権利を、チケット保有者に対して許諾します。

まぁここ禁止にしたら、なんか盛り上がりにも欠けちゃいますよね。

ですが、二つ注意しなくてはならないことがあります。

写真はOKですが、動画と音声に関しては撮影はできるけど、配信は不可みたいです。

ただし、チケット保有者は、会場内で撮影または録音された動画および音声については、IOCの事前の許可なく、テレビ、ラジオ、インターネット(ソーシャルメディアやライブストリーミングなどを含みます。)

これは競技している選手たちの動画ではなく、すべての動画です。

オリンピック会場で応援している自分たちの姿もダメみたいです。

つまりユーチューバーは東京オリンピックに行ってきた的な動画をアップすることはできません。

東京オリンピックの思い出や、現地での様子を参考にするためにお客さんがアップした動画を見たい気持ちもあるのですが、ちょっと残念です。海外の人とか、こういうの見てくれそうなんですけどね。

現地での撮影には要注意!撮られる場合も要注意!

個人的に一番すごいなと思ったのはここです。

さらにチケット保有者は、これらのコンテンツについて保有する一切の権利(著作権法第27条および第28条の権利を含みます。)をIOCに移転するとともに、その著作者人格権を行使しないことに同意します。

これは、そこで撮影されたすべての写真や動画の権利はIOCにあるということです。どう解釈するかですが、これはおそらくネット上にアップされた現地での写真はIOCがすべての権利を持つということで、それが極端な話、IOCに帰属するなにかの商品などに無断で使われても文句は言えないということです。※ネット上にアップされてない写真もIOCの権利になります。

さらにお客さんは著作人格権を行使しないとあります。撮影者の名前を出してもらう権利もないですし、出したくない写真も出てしまうかもしれません。無断で出されてもOKです、ということになります。

これは撮る側の話ではありますが、裏を返せば撮られる側もそうです。

自撮りの写真をIOCが何かに使っても文句が言えないばかりか、自撮りではなく誰かに撮られた写真がIOCが何かに使っても文句が言えない、と解釈していいのでしょうか。

それと、写真の権利がIOCへ移転するので、ネット上の写真をマスコミが使う場合も、その撮影者の許可などは一切必要なく、IOCがOKといえば撮影者が使わないでくれといっても使ってOKということになります。

現在はインターネット、SNSで写真や動画を自由に撮影できる世の中です。ずいぶんガチっとこのあたり対応してきたなという印象でした。