スーパーシティ法案にどうして反対?理解しにくい個人情報とビッグデータの違い


スーパーシティ法案がようやく可決しました。

前回一度戻した法案で、しかも今回ちょっとコロナや検察不祥事で揺れている中どうなるかと思いましたが、なんとか可決できてよかったと思います。

スーパーシティ法案とは

世の中、いろいろなことが急速に進化しています。

ですが、技術の進化のスピード、そして市民がいろいろやりたいという気持ちがあれど、それだけではどうにもならないことがあります。それが法律で、どうしてもあれはダメ、これはダメということが起きてしまいます。

技術の進化に法律が追い付かず、それによりまた新たなストレスや社会問題が生まれてしまいます。

スーパーシティ法案というのは、決められた一部の地域でこういった規制緩和を行い、その中ではいろいろな法的な規制をとっぱらい、現在の技術をフルに活かすことができるようにする、という法律です。

このあと、どこの地域でそれを行うのか、やりたい地方自治体を募り、そこから詰めていく作業になることでしょう。

反対派の意見と自分の意見

このスーパーシティ法案について、自分はもうこのアヤノ.メを以前より読んでくれている人はわかると思いますが、もちろん賛成派です。

これからの世の中は、多くの情報を結び付け、それを社会の中で活かしていく世の中になっていきます。キャッシュレスとか自動運転とかよく例にあがりますが、こういったコロナのような感染症の場合でも、例えば市民の体温をチェックしつつ、どこかで集団感染が起きてないかとか、起きた場合その人たちの移動経路や接触者はどんな感じかも把握できますし、今ではできないようなことができるようになります。

しかしこのスーパーシティ法案、反対する人も多いわけです。

その理由としては個人情報の取り扱いです。たしかに言い方を変えれば監視社会とも言えます。お金の流れや居場所、買ったもの履歴、会った人の履歴、場合によっては会話の内容なんかまでも?

いきなり警察だか役人だかが家に来て、あなた最近体温高いんで、検査しますね、みたいなこともあるのかもしれません。わからんけど。これをプライバシーの侵害と見るか、技術力による感染拡大防止と見るか、解釈の仕方次第ですね。

また、個人情報とビッグデータというのは、なかなか相性が悪いものなんです。ビッグデータというのは、そういった個人情報の束のことです。

例えば彩雨という人がいつどこのコンビニで何のアイスを買ったか、そんな情報はみなさんにとってはどうでもいい情報ですよね。ですが、じゃあ日本国民1億2000万人がいつどこのコンビニでなんのアイスを買ったのか、それが世界の数十億人がいつどこのコンビニでなんのアイスを買ったのか、となるとこれが面白いことに、とても意味のあるデータになります。

これがビッグデータです。しかしこれを感覚的に理解するのは難しいです。

確かに彩雨という人の情報は筒抜けかもしれませんが、その情報自体にはなんの価値もありません。ちなみに筒抜けという言い方をしましたが、国の役人が彩雨という人の行動履歴をピンポイントで参照しストーキングすることができる、というのとは話が違います。

それにしても、こういう話になると、やはりいかに中国が情報化社会において力をつけるかがなんとなくわかりますね。日本のように技術力だけあればOKの国ですと、これからの世の中は厳しいかもしれません。

そして勘違いしている人も多そうですが、スーパーシティ法案が可決されたので、今すぐみんなの個人情報が国に管理されるわけではありません。

わかりやすく、具体的なモデルケースの立ち上げを

習うより慣れよ、というか、百聞は一見に如かず、というか。

やはり、こういった新しい制度によるまちづくりがどういうものなのか、もう少し具体的にわかりやすいモデルケースが欲しいところで、今後はすみやかに地方自治体をつのり、実践していくことになるでしょう。

自治体としてもこれに乗っかりたいところは多く、それぞれが知恵を出し合っている段階かと思います。実現までは時間がかかるでしょうが、まずはその一歩というところです。

最初の一歩はどうしてもいろいろな変化によるストレスはあるでしょう。またこういったコロナの中で関係ないこと進めるなよ、と思う人もいるかもしれません。

しかし自分としては、こういったコロナだからこそ、スーパーシティ構想のメリットって活かせると思っています。今回、この法案が成立したことに対しては好意的に受け止めています。

もう少しはっきりと具体的に反対派の意見に対して答えることもできたんじゃないかな、とはちょびっと思ってますが。

自分の周りに反対派の人がいないので、自分自身も反対派の人がどういう気持ちなのかよく理解できてないところもあります。ネットを通じて反対派の意見は読みましたが、生の声も聞きたいものです。反対派の方はまた全然違うベクトルでの心配をしているのかもしれませんしね。