QUESTIONより:生活保護と働く理由、働き方の多様化


QUESTIONより

人生相談 彩雨さんこんにちは。僕は大学院を卒業し研究職に就いたのですが、1年で退職して転職をしました。しかし、新しい環境でも働く事が厳しいように感じています。発達障害や鬱などが主な原因かと考えています。お金が掛からない人間でやりたい事も希望も何もないので生活保護などを受給して暮らすのがいいのかなと考えています。しかし、大学院まで出てまだ25歳なのに人様の納めた税金で暮らすなんて許されない気もします。もうどうしたらいいのかわかりません。何かアドバイスを頂けないでしょうか。 


大学院まででてとか、まだ若いのに、というのは、国によるセーフティネットを受けてはいけないという理由にはなりません。

そんなことまで気にしなくて大丈夫です。

生活保護はもらっていい

現在、生活保護を受けている人は50人に一人といわれています。これが多いのか、少ないのか、というところは考え方次第でしょうね。

生活保護は収入がなければ誰でももらえるかというと、そういうことでもありません。

車や不動産などの資産がある人や、自分に資産がなくても親族に資産がある場合は、生活保護の対象とならないケースもあります。

また、働くことができるかのジャッジも自分ではなく各自治体がするもので、同じ人でも自治体によって生活保護を受けられる人と受けられない人がいます。質問者さんの年齢が若いということが影響があるかどうかというところですが、もし病院でADHDと診断されたのならば、受けることもできるかもしれません。

生活保護というと嫌なイメージを持つ人も多いかもしれませんが、国の大事なセーフティネットであり、すべての人が持つ権利の一つでもあります。条件に当てはまるのであれば、苦しむ前に潔くもらうべきと考えます。

働く理由はそれぞれ

生活保護はそれはそれとして、そもそも働くとはどういうことかという話にもなります。

質問者さんは研究職を退職され、現在は新しい環境で働いているとのことで、職場環境などのこともあり悩んでおられるのかなと思います。

仕事にはそれはもちろん楽しいことや辛いこと、また仕事をすることで何を満足するか、つまりお金をもらう喜びか、人に感謝される喜びか、自分の能力がアップする喜びかなど、多くの要素が絡んできます。

全然お金にならないけど、それ自体が楽しいし、人に感謝されるし、やりがいがある、というのも働く理由ですし、めっちゃ金を稼げるけど、無駄に時間を消費してストレスを貯めているだけ、というのも働く理由です。

これは人それぞれで、正解はありません。

昔の日本はそれこそ働くために生きるような社会だったかもしれませんが、今は働き方だけではなく、人生の生き方から多様化しているように思えます。こうじゃなきゃいけない、ということは何一つありません。

働き方の多様化

また、幸いにしてインターネットが発達した現代では、ネット経由で多くの仕事をすることができます。人と合わずして多くの仕事がアウトソーシングサービスなどを使い行われ、会社などに属せず、フリーランスで働く人も増えています。

フリーランスというと、ミュージシャン、ライター、プログラマーなどがパッと思い浮かびますが、今ではマネージメント業やコンサルティングなどもフリーでやっている人もいますし、”属さない生き方”はこれから増えていくのではないかと思います。

極端な話、誰とも会わず山奥や離島、海外、さらには将来的には月や火星にいたとしても、十分なネット回線があれば一人でも生きていくことができる時代です。これは昔では考えられなかったことで、とても恵まれた時代に生きています。

もし質問者さんが働くということが嫌というより、どこかのコミュニティに属したり、誰かと何かをやることが嫌なのであれば、今ならば昔よりも一人でも仕事を成立しやすい時代になっていることは活かしたいところですね。

また、YouTubeやブログ、SNSなどはとてもおもしろい性質があり、突き抜けて好きなものがあればそれを生業に変えてしまう力があります。昔だったらただのゲーマーはいつまでたってもただのゲーマーでしたが、それが現代では配信することでお金に変えることができてしまうということです。これはゲームに限らず、自動車でもアニメでも、好きなことを作るのではなく、情報発信することでお金に変えることができます。これも昔では容易なことではありませんでした。

質問者さんはやりたいことも希望もないとのことですが、同じようにやりたいことや希望がない人はたくさんいます。もしかしたら質問者さんの悩みや経験が、同じようなことで悩んでいる人の役に立つかもしれません。そんな発想の変え方もしてもいいかもしれません。