QUESTIONより:モノクロ漫画をフルカラーにすればいいというわけじゃない


QUESTIONより

彩雨さんこんちには!昔読んでた漫画が電子書籍でフルカラーになっていたので買ってみましたが、理由はわからないんですが漫画は白黒の方がいいなと思いました。彩雨さんはどう思いますか?


なるほど、漫画のフルカラー、そうですね。

これはとても重要なご指摘です。

フルカラー、縦読みの時代

最近の漫画はWEBベースのものが増えてきました。

WEBベースと言っても、PCで見る場合とスマホで見る場合は全然違って、やはりスマホが主流になっていることは間違いありませんね。

スマホには横スクロールより、縦スクロールのほうが相性がいいと言われています。

この理由はおそらく指の関節の問題がまずひとつ、あとはこういったブログも含めてWEBサイトが縦スクロールで成り立っているので、そういったものとの相性もあるでしょうね。

近年は縦スクロールの漫画が増えてきましたね。

WEBベースですので、着色もやり放題、そしてスマホ画面で見るということで、文字、吹き出しが少し大きくなっているのも特徴です。

最初から紙媒体にすることは想定していないので、こういった試みができるのでしょう。

こういった縦読み漫画は韓国で生まれた文化と言われています。こういうのはIT先進国じゃないと生まれにくい文化かもしれません。

モノクロ漫画をフルカラーにしてもダメ

ただ、これはあくまで見せ方の話でして、結局最終的には面白ければ横だろうとモノクロだろうと面白いということです。

音楽にも通ずるところがありますが、いい曲であればレコードでもCDでもMP3でもいい曲なんですよね。

ここで質問者さんの話に戻りますが、着色についても、最初からモノクロありきで成り立っているものに着色しても、あまり作品の良さについてはプラスアルファ要素になっていないということなのかもしれません。

たぶんドラクエ3が超ハイクオリティにリメイクされたとしても、それが必ずしもドラクエ3の良さのプラスアルファ要素にならないのと同じだと思うんですよね。

ドラクエ3はリメイクを発表されていますが、ただ映像を良くするだけではなく、別の要素でちゃんとプラスアルファ要素を入れてくると思います。

音楽もそうで、昔の音源を最新レコーディング技術を使ってそのまま再ミックス、再マスタリングすればいいものになるかというと、そういうことじゃないんですよね。きっと、ちゃんとプラスアルファ要素をいれて再レコーディングしないといいものにはなりません。

そういった意味で、質問者さんが漠然と感じた違和感は、今後のWEBコンテンツ作りにおいて、クリエイター、事業者が一番陥りやすい罠なのかもしれません。