地方局はピンチをチャンスに変えてほしい!11日から民放のネット放送が開始へ


11日より、TVerにて民放のリアルタイム配信が始まります。

技術的には10年前だって可能だったはずですが、ここまで時間がかかったのは権利問題など、技術とは関係ないところによります。

このブログでは何年も前からこの問題を取り上げ続けてきましたが、ようやく一歩前進ということで、個人的には歓迎したいです。

ちなみにリアルタイム放送は夜だけです。全部やるべきですが、仕方ないですね。

追っかけ再生も!ネット放送ならではの利点を活かせ

ネット放送は利点だらけです。

まず、ネットでテレビを見ることができるということは、スマートフォンを持っている人は、要するにテレビを持っていることと同じになります。

テレビを見てくれる機会は圧倒的に増えます。機会が増えれば収入を上げるチャンスでもあります。

電車に乗っている人、仕事のお昼休み、テレビがない子供部屋などなど、これまで機会損失していた面をカバーすることができます。

また、追っかけ再生にも対応するとのこと。

バラエティやドラマなど、リアルタイム性とは関係のないコンテンツは、この追っかけ再生は大きいですよね。

例えば9時10分発の新幹線に乗った時、これまでのようなワンセグだと中途半端な時間からドラマを見るのもなあ、というところでしたが、これを最初から見てもらえます。

これがドラマを見ようとする行動喚起にも繋がります。

アーカイブ配信も含め、こういったネット放送の利点を活かし、テレビの収益性を上げることができます。

テレビ離れと言われている昨今、ネット放送はプラスにしかなりません。

懸念は権利問題と地方局

大きな懸念は二つです。

一つは、どうしても重くのしかかる権利問題です。

テレビ放送とネット放送では著作権のあり方も変わります。

現行の法整備、テレビのビジネスモデルが現代の技術と合っていないということです。

これはずっと前からそうで変えるチャンスはたくさんあったのですが、そこを変えなかったこの状況はこれから大きな歪みとなってあらわれてくるでしょう。

もう一つは地方局です。

地方局は地方のCMが流れます。しかしみんながネット放送を見てしまったら、地方のCMが流れなくなります。

この問題もなかなか難しいです。一つは、そもそも地方局というビジネスモデル自体に無理があるということも挙げられます。

ただ技術的にはどうにかなるはずで、その人の位置情報で流すCMを変えてしまえばいいだけなんですが、そう単純なことでもないのでしょう。

根本的な話になると、やはりこれもまたビジネスモデルの問題です。

広告収入依存のビジネスモデルから、こういったラジオやテレビが登場して100年、なにも変わらなかったというツケが今になってきているということです。

地方局はコンテンツを全国に発信すべき

今回の同時放送は、夜の時間帯になります。

朝や昼間に多い情報番組は含まれません。

地方局は、このネット同時放送にもっと取り組むべきで、むしろそういった地方の情報番組をネットでがんがん放送すべきでもあります。

東京など都市部にも、その地方の出身者は多いわけで、地元の情報を知りたい潜在的な需要もあるはずです。

TVerではもうすでに似たようなことをしている動きもあります。

今回のネット放送、地方局にとって不利という見方が強いですが、むしろこれをチャンスにとらえるような動きがもっと出てくるといいなと思います。