QUESTIONより
彩雨さんこんばんは! つい先日、タイの徴兵制が報道されていて、若者たちの中には女装して免れようとする方がいると知りました。 お隣の韓国や台湾なども徴兵制がありますよね。 現代の日本ではないので、大好きなバンドマンが徴兵の為、しばらく活休などと悲しい思いもせずに済んでいます。 とは言え、自衛隊員の志願者は減少傾向にあるようで、いつかは徴兵制の復活もあるのかもと思ってしまいます。 これについて、彩雨さんはどう感じますか?
韓国のグループはたしかに徴兵制で活動休止になることも多く、大変なことだなと思います。徴兵制、というと戦時中の日本を思い浮かべる人が多いでしょう。現代では無縁のようになった日本社会での徴兵制ですが、海外では徴兵制のある国は多いです。
韓国、タイなど近隣諸国もいまだに徴兵制があります。スイス、オーストリアなどヨーロッパでもあります。フランス、スウェーデンは廃止となりましたが、近年は復活の兆しがあります。その一方で、ドイツは2011年に廃止となりました。
韓国は北朝鮮と長い期間の戦争状態が続いている事情もありますが、今は融和ムードも進んでいますし、今後はどうなるかわかりませんね。
これからの戦争
もちろん世の中から戦争がなくなれば徴兵制も必要なくなるわけですが、なかなか理想通りにいかないのもこの社会というものです。脅威はたくさんあるということです。
徴兵制のメリットは、軍事経験がある人間を一定数以上確保できることにあります。
しかし、数で勝れば…という戦争のスタイルも100年前までの話です。第二次世界大戦では大量破壊兵器である原爆が人間の歴史上初めて使われ、どんなに屈強に訓練された兵士がたくさんいようと、それで戦争がどうにかなるレベルの話ではなくなりました。
銃、飛行機など新たな技術が登場し、戦争のスタイルも人類の歴史とともに変化しています。
今は第二次世界大戦の時代よりもさらに進んでいます。はるか遠くの国から遠隔操作で地球の裏側で銃を撃つことができる時代です。シリアなどでも使われた可能性がある化学兵器、原爆といった大量破壊兵器、そしてネットワークとテクノロジーを駆使しコンピュータ制御されたロボット兵器、さらには相手コンピュータやネットワークを破壊するサイバー兵器などなど…戦争の形はこれまでのものとは大きく変わります。相手国へのダメージを最小限に抑え制圧することもできますし、相手国をそれこそ草木、生物を跡形もなく無にすることもできる、そういった時代です。
そうなってくると、戦争も素人が参加できる時代ではなくなります。専門的な知識と技術が必要になります。徴兵制を強いて男性は戦地に行き、女性は薙刀を持って家を守る時代ではないように思えます。
徴兵制といっても、この時代、無給でやるわけにもいかず、人件費はすさまじくかかります。その一方で、専門的な知識と技術が必要な次世代の戦争で、一体駆り出された一般人たちがどんな役にたつのだろうか、とも思います。そういった点から、軍事の観点で考えると自分自身の考えとしては、徴兵制は今の時代にはそぐわないものであると考えます。
憲法上の解釈も合わせて、少なくとも21世紀においては日本で徴兵制が復活する可能性はゼロに等しく、世界各国も先進国から徐々に軽減されていく方向になるのかな、というのは自分の考えですね。まぁ、1万年後とかはわからないですけどね。
先日は憲法記念日もあり、護憲か改憲かで徴兵制復活を煽るような意見も見られましたが、個人的には徴兵制復活からの戦争をする、という考え方はナンセンスと感じています。
まぁこれについてはシビアな問題ではありますし、たぶん世の中にはめっちゃ反論したい人もいるはずです。もっともいろんな意見があってしかるべき、それでこそ民主主義国家が成り立つということで、こういった問題ももっと真剣に考えてみたいなと思いました。