これはニュース読み配信の文字起こしをブログ化したものです。
経済学者の成田悠輔氏の鋭い指摘が、日本社会の特異な構造を浮き彫りにしています。誰もが「中流」を意識し、極端な格差を嫌う日本。しかし、その実態は私たちが思っている以上に複雑かもしれません。
庶民感覚が支配する日本社会
日本では、総理大臣ですらおにぎりの食べ方で庶民からの評価にさらされます。これは単なる文化の違いではありません。実は、欧米でも指導者の食事マナーは注目の的です。例えば、アメリカでも大統領のハンバーガーの食べ方が国民の批評対象となります。つまり、これは政治体制の問題ではなく、指導者に対する庶民感覚からの評価基準が存在することを示しているのです。
世界から取り残される日本の富裕層
G7諸国の中で、日本の人口あたりのビリオネア(超億万長者)数は際立って少ないことが指摘されています。これは単なる数字の問題ではありません。世界では富裕層の二極化が進み、「金持ち」と「スーパー金持ち」という階層が明確に存在しています。しかし、日本にはその「スーパー金持ち」層が極めて少ないのです。この現象は、グローバルな視点で見ると、日本の相対的な経済力の低下を示唆している可能性があります。
インフラが示す富裕層対応の限界
高級ホテルや交通機関を見ても、日本の「スーパー金持ち」層の不在は明らかです。例えば、新幹線のグリーン車以上の超高級車両の検討が始まったものの、実現には至っていません。また、一人の滞在で莫大な消費をもたらす超富裕層向けの専用ホテルも、日本では極めて限られています。これは、インバウンド戦略においても、多くの一般観光客を呼び込むことに注力し、超富裕層の誘致という視点が欠けていることを示しているのかもしれません。