思い出の保存はできてる?MDは生産終了へ!


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。

MDの栄光と終焉:デジタル音楽の変革期

MDが生産終了というニュースが入ってきました。1992年の発売以来、一世を風靡したMD(ミニディスク)ですが、iPodなどの登場によりデジタル音楽の普及が進み、ついに歴史に幕を閉じることになりました。

この1992年から2002年頃までの約10年間は、音楽メディアにとって「怒涛の10年間」でした。Windows 95の登場(1995年)、MP3技術の普及(1998年頃)、ブロードバンドの浸透(2000年以降)、そしてiPodの登場(2002年頃)と、音楽を取り巻く環境は劇的に変化しました。

MDは当時、CDをデジタル録音して気軽に持ち運べるという革新的な技術でしたが、MP3とiPodという完全な上位互換の登場により、その役割を終えることになりました。コンピューターでの音楽管理や、(時には違法な)ファイル共有の簡便さが音楽業界の方向性を根本から変えたのです。

ガラパゴス的存在だったMD

興味深いのは、日本ではソニー製品ということもあり、MDが広く普及した一方で、海外では「MDって何?」という国も多かったという点です。確かに日本人のほとんどがMDで音楽を聴いていた時代がありましたが、世界的に見るとMDは比較的「ガラパゴス」な存在だったと言えるでしょう。

デジタルデータのアーカイブ化の重要性

MDの生産終了は、大切な思い出が詰まったメディアの「さようなら」を意味します。家にMDがあり、バンドの演奏など思い出の録音が残っている方は、早めの対策が必要です。MDというメディア自体は残っていても、再生機器がなくなれば聴くことができなくなります。

デジタルデータは、アナログのカセットテープと違って、読めなくなったらどうにもなりません。カセットテープはある程度劣化しても音が悪くなるだけで再生可能ですが、MDは完全に読めなくなるとデータを取り出す手段がありません。

このような事態に備えて、思い出のMDをデジタルアーカイブ化することをお勧めします。専門業者に依頼すれば比較的簡単にデータ化が可能です。サブスクリプションサービスやCDなど別の形で音楽データが担保されている場合は別ですが、オリジナルの録音など貴重なデータがある場合は早めの対応が必要です。

デジタルアーカイブ化のための業者もこれからどんどん減っていくでしょうから、気になるMDがある方は、押し入れから出して早めにデータ化することをおすすめします。