これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。
フォートナイトがApp Storeに復活するというビッグニュースが飛び込んできました!これは単なるゲームの話ではなく、デジタル業界の力関係を大きく変える出来事かもしれません。
争いの始まり:2020年の「課金戦争」
2020年の夏、フォートナイトとAppleの間で大きな争いが勃発しました。きっかけは「Apple税」と呼ばれるものでした。
AppleのiOSでアプリを提供するには、App Storeを通す必要があります。そこで発生する売上からAppleに大きな手数料を支払わなければならないんです。フォートナイトのゲーム内課金でも同様に、かなりの金額がAppleに流れていました。
エピックゲームズ(フォートナイトの開発会社)はこれに不満を持ち、App Storeを介さない独自の課金システムをゲーム内に実装したんです。これにAppleが激怒し、フォートナイトをApp Storeから削除するという強硬手段に出ました。
当時の世間の反応は「確かにフォートナイトの気持ちはわかるけど、Appleのプラットフォームを使っているんだから手数料を払うのは当然じゃない?」という空気感が強かったです。
時代の変化:GAFAへの風当たり
2010年代はGoogle、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon(いわゆるGAFA)がどんどん強大化していった時代でした。しかし2020年代に入ると、「強すぎるGAFAにブレーキをかけよう」という「脱GAFA」の流れが少しずつ生まれてきました。
アメリカ政府がGoogleの分割を検討する話や、ヨーロッパの厳しい規制、さらには日本でも公正取引委員会がGAFAに対して動き出すなど、世界的に風向きが変わってきています。
和解への道:Appleの妥協
そして今回、フォートナイトがアメリカ版App Storeに復活することが発表されました。エピックゲームズのCEOは「Appleが裁判所の定めた『手数料なし』の枠組みを世界中に展開するなら、世界中のApp Storeにフォートナイトを復帰させ、現在の訴訟をすべて取り下げる」と提案しています。
これはApple側が大きく譲歩する形になりそうです。2020年の問題提起から約5年、フォートナイトの戦いが実を結びつつあります。
他社の「Apple税回避」戦略
実は似たような「Apple税回避」は他の企業もひっそりとやっていました:
- Voicyのプレミアム会員は、ウェブで登録する方が安く設定されています
- Xのプレミアム会員もブラウザ経由の方が安いです
- Amazonの電子書籍はKindleアプリ内では購入できず、事前に買ったものを読むだけの仕組みになっています
- コナミのプロ野球スピリッツも独自の課金システムを用意しています
フォートナイトが始めた戦いと同じことを、実は多くの企業がすでに行っていたんです。けれど、それらのアプリはApp Storeから削除されていません。時代が変わったということでしょう。
これからの展望:アプリ配信の自由化へ
今後はiOSでもApp Store以外からアプリをダウンロードできるようになるでしょう。PCのWindowsソフトのように、開発者が自由に配信できる未来が見えてきています。
ヨーロッパではすでにこの動きが始まっており、日本でも同様の流れが来るのは時間の問題かもしれません。
オリジナルアプリを作って、App Storeを通さずに直接ユーザーに届けられる日も近いかもしれませんね。この「フォートナイト戦争の終結」は、デジタルプラットフォームの力関係を変える大きな転換点になりそうです。