Grokが世界をつなぐ。Xが投稿の「自動翻訳」を開始


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

Xの「自動翻訳」は世界を繋ぐか?言語の壁がなくなる未来への期待

イーロン・マスク氏率いるX(旧Twitter)が、また一つ、面白い機能をリリースしました。これまでも、投稿の下にある「翻訳」ボタンを押せば、外国語のポストを日本語で読むことができましたが、今回、その翻訳が「自動化」されるというのです。生成AI「Grok」によって、世界中の言語で書かれたポストが、自動的にユーザーの言語に翻訳されて表示される。イーロン・マスク氏自身も「Grokが世界をつなげます」と日本語でアピールしており、その期待の高さが伺えます。

もっと早くからやるべきだった?自動翻訳のメリット

このニュースを聞いて、僕が真っ先に思ったのは「むしろ、なぜ今までやっていなかったんだろう?」ということでした。技術的には、もっと早くから実現できたはずです。

例えば、僕の先輩のアーティストたち。KAMIJOさん、Kayaさん、HIZAKIさんといった面々は、海外にも多くのファンを抱え、頻繁に海外で活動しています。先日も、ロストバゲージという大変なトラブルに見舞われながらも、海外でのイベントを成功させていました。彼らのように、海外に情報を届けたいと願う人々にとって、自分の日本語の投稿が、世界中のファンの元にそれぞれの母国語で自動的に届くというのは、計り知れないメリットがあるはずです。これまでは、わざわざ日本語と英語で別のアカウントを運用している人もいましたが、その手間も必要なくなります。

僕自身、タイムラインに流れてきた英語のリプライが、いつの間にか日本語に翻訳されているのをいくつか見かけました。すでに一部のユーザーには、この機能が適用され始めているようです。

「誤訳」のリスクを超えて、コミュニケーションを優先する思想

では、なぜこれまでX(旧Twitter)は、この便利な機能を実装してこなかったのでしょうか。一つ考えられるのは、「誤訳」によって意図しないニュアンスで情報が伝わってしまうリスクを危惧していた、という可能性です。「そんなつもりで言ったんじゃないのに…」という誤解が、翻訳を介することで生まれてしまう。そのことを恐れていたのかもしれません。

しかし、イーロン・マスク氏は、そうした細かなリスクよりも、言語の壁を取り払うことのメリットを優先したのでしょう。「そんなの知らねえよ」と、良い意味で物事を推し進める彼らしい判断だと思います。そして、最近のAI翻訳の精度を考えれば、その判断は決して間違っていないと僕は感じます。

もちろん、オン・オフ機能は用意されるかもしれませんが、もし僕がその対象になっても、この機能をオフにすることはないでしょう。海外の人の投稿を日本語でシームレスに読みたいし、自分の発信が世界中の人に見てもらえるチャンスがあるなら、それを拒む理由はありません。

言語の壁が溶けた先にある、新しいコミュニケーション

この機能が本格的に導入されれば、私たちのXでの体験は大きく変わるはずです。これまでフォローをためらっていた海外のアーティストやクリエイターを、もっと気軽にフォローできるようになる。自分のタイムラインが、たとえ世界中の言語で埋め尽くされたとしても、すべてが日本語で読めるのだから、何も問題はありません。

さらに、こちらから海外の人にリプライを送れば、それもまた相手の言語に翻訳されて届く。そうなれば、これまで言語の壁に阻まれていた、国境を越えたコミュニケーションが、もっと活発になるのではないでしょうか。それは、まさに「Grokが世界をつなぐ」という言葉が示す未来そのものです。

このXの新しい試みが、世界中の人々をより身近に感じさせ、新しい繋がりを生み出すきっかけになることを、僕は大いに期待しています。