犯罪といたずらの境目はどこ?無限アラート事件から考えるIT犯罪の難しさ


先日、無限アラート事件で書類送検された男性二人が不起訴となった、という報道がありました。

現在の法律ではなかなか対応しきれない難しいネット事件でした。

これを機に無限アラート事件とはなにか、簡単に振り返ってみましょう。

無限アラート事件とは

国内外でも話題となった事件です。

掲示板などにリンクを貼り、それを押すと、「何回閉じても無駄ですよ~ww」という警告が何度消してもでてくるプログラムのことですが、それを仕掛けた人が捕まった事件です。

今年の三月に、大人二人と子供一人が捕まりました。(正確にはは大人は書類送検、子供は補導です)

JavaScriptで簡単に書くことができるプログラムで、内容はこれだけです。

for ( ; ; ) { window.alert(“ ∧_∧ ババババ\n( ・ω・)=つ≡つ\n(っ ≡つ=つ\n`/  )\n(ノΠU\n何回閉じても無駄ですよ~ww\nm9(^Д^)プギャー!!”) }

それぞれ居住も別々の三人が、掲示板の書き込みによって兵庫県警によっていきなり捕まるというニュースは、国内外でも話題となりました。

無限アラートとは違法なのかいたずらなのか

コンピュータウイルスであったりブラクラといわれるプログラムは、コンピュータに対してダメージを負わせたり個人情報などを盗み取ったりと、相手に害を与えるもので、違法になります。

ではこの無限アラートはどうでしょうか。

実はこれ、コンピュータに対してはまったく負荷のかからない仕組みで、さらにブラウザごと終了すれば簡単に終了することができます。

この件に関して、JavaScriptの生みの親であるブレンダン・アイク氏や電子フロンティア財団が声明を出すなど、いったいどこからが犯罪なのか、そうでないのかという議論を巻き起こすことになりました。

抗議活動が行われる

「みんなで逮捕されようプロジェクト」という抗議活動が行われました。

これはこの捕まったきっかけとなったプログラムをみんなで書きこんで逮捕されようという活動です。

“「ブラクラ」中学生補導”に同様のプログラム公開で抗議 「みんなで逮捕されようプロジェクト」の真意は

実際にこれで抗議した人たちが逮捕されたかどうかわかりませんが、この抗議活動も海外で拡散され、大きな話題となったそうです。

実際問題、日本はIT後進国であることは否めません。

ITとは技術だけではなく、それにまつわる法整備の迅速さ、国民の理解度、利用度、精神性など含めてのITなんだなと痛感する出来事です。

もっとも、ネットでこういういたずらをすることはもちろんよくないことです。

その上で、日本の法整備や理解もまだまだ間に合ってないことが露呈されました。

今回の不起訴をきっかけに、もう少し理解度が深まるといいなと思います。