10月16日は、ウォルト・ディズニー・カンパニーが創立された日。1923年の創業から、今年で101年目を迎えます。
エンターテイメントに関わる人間として、ディズニーという存在は、まさに世界の頂点であり、常にシーンを牽引してきた、心からリスペクトすべき存在です。
今日は、そんなディズニーの「何がすごいのか」について、僕なりの考えをお話ししたいと思います。
1. 「アニメーション」という発明
まず一つ目は、何と言っても「アニメーション」という文化そのものを創り出したことです。
蒸気船ウィリーに代表されるように、それまで静止画でしかなかったイラストに命を吹き込み、「動き」と「音」を与えることで、全く新しいエンターテイメントのジャンルを確立しました。この「0から1」を生み出した発明こそが、ディズニーの全ての原点です。
2. 「テーマパーク」という複合的エンターテイメント
ディズニーのすごさは、アニメーションだけに留まりません。二つ目のポイントは、その世界観を現実の空間に落とし込んだ「テーマパーク」を創り上げたことです。
ディズニーランドは、単なるアニメのおまけではありません。物語の世界を実際に「体験」できる場所として、それ自体が独立した強力なコンテンツとなっています。
今でこそ、様々なキャラクターのテーマパークが存在しますが、その元祖は間違いなくディズニーランドです。アニメという「画面の中の世界」と、テーマパークという「現実の世界」を繋げ、エンターテイメントを複合的なものへと進化させた。このアプローチは、画期的なものでした。
3. 「権利ビジネス」という礎の確立
そして、三つ目。これが最も重要かもしれません。それは、エンターテイメントにおける「権利ビジネス」の礎を築いたことです。
あまり夢のない話に聞こえるかもしれませんが、エンターテイメントとは、突き詰めれば「権利のビジネス」です。音楽も、映画も、そしてアニメも、その権利をいかに守り、活用していくかが、ビジネスの根幹を成します。
実はディズニーは、ミッキーマウスが生まれる前、「オズワルド」というキャラクターの権利を、配給会社に奪われてしまうという苦い経験をしています。その失敗を教訓に、ウォルト・ディズニーは権利管理の重要性を痛感し、ミッキーマウス以降、徹底した権利保護戦略を取りました。
その姿勢は、時に「厳しすぎる」と批判されることもあります。しかし、その厳しさがあったからこそ、クリエイターたちは安心して創作に集中でき、ディズニーというブランドの価値は守られ、今日の巨大なエンターテイメント帝国が築き上げられたのです。
アニメーションという発明、テーマパークという体験、そして権利ビジネスという基盤。この3つが、100年経った今もなお、ディズニーが世界のエンターテイメントの頂点に君臨し続ける理由なのだと、僕は思います。