これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
今日は私たちの身近な「足」にまつわる、少し寂しいニュースです。長年、多くの人々に親しまれてきた50ccの原付バイクが、10月末をもって国内での生産を終了しました。
時代の変化と、厳しくなる規制
高校生でも手軽に乗れる移動手段として、日本の街の景色に溶け込んできた原付バイク。その生産が終了する背景には、年々厳しくなる排出ガス規制があります。この規制をクリアするための開発コストが、50ccという小さな排気量では、もはや採算が取れなくなってしまったのです。
もちろん、今すぐ街から原付が消えるわけではありません。しかし、一つの時代が終わった、という寂しさを感じずにはいられません。
僕が期待する「小型モビリティ」という新しい選択肢
このニュースを聞いて、僕は以前から提唱している「小型モビリティ」の時代の到来を、改めて強く感じました。
それは、これまでの「歩く」「自転車」「原付」「自動車」といった選択肢の中間に位置する、全く新しいカテゴリーの乗り物です。
例えば、歩くよりは速く、自転車よりは楽な、超小型の電動モビリティ。あるいは、軽自動車よりもっと手軽で、街中をスイスイ移動できる、1~2人乗りのモビリティ。
今回の原付バイクの生産終了は、こうした新しい移動手段へのニーズを、より一層高めることになるでしょう。
法律やインフラの整備が不可欠
もちろん、新しいモビリティが普及するためには、多くの課題があります。
現在の道路交通法は、基本的に「歩行者」と「自動車」の二者択一で設計されています。自転車でさえ、どこを走ればいいのか、未だに曖昧な部分があります。新しいモビリティのための専用レーンを整備したり、免許制度や交通ルールを根本から見直したりと、社会全体のインフラをアップデートしていく必要があります。
それは、決して簡単なことではありません。しかし、21世紀の後半にかけて、私たちの「移動」の形は、必ず大きく変わっていくはずです。
50年後、私たちは全く新しい乗り物に乗って、「昔、原付バイクっていうのがあったんだよ」なんて話をしているかもしれません。
今回の原付バイク生産終了は、そんな新しい時代の幕開けを告げる、一つの象徴的な出来事なのだと、僕は思います。