これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
これは、日本の自動車産業にとって、そして僕にとっても、少し残念なニュースが飛び込んできました。
ソニーとホンダが共同で設立した、電気自動車(EV)を開発する新会社。その計画が、事実上、頓挫することが発表されたんです。
ガソリン車は悪?10年前、僕らが信じた未来
ほんの10年ほど前まで、世界の潮流は、間違いなく「脱ガソリン車」でした。
「ガソリン車は悪だ」「環境に配慮しない国は時代遅れだ」
そんなムードの中、2040年代までにはガソリン車を全廃し、全ての車をEVかハイブリッド車にする、という動きが、世界中で加速していました。
環境問題への意識が高いヨーロッパでは、フォルクスワーゲンのような巨大メーカーが、いち早く「ガソリン車の開発を捨て、EVに全振りする」と宣言。その決断は、世界中から賞賛されました。
日本でも、トヨタはハイブリッド、日産はEVと、それぞれの強みを活かして、この大きな波に乗ろうとしていました。
中国にはBYD、アメリカにはテスラという、強力なEVメーカーが君臨し、もはや「世界の流れはEVで間違いない」と、誰もが信じて疑わなかった。僕も、その一人でした。
なぜ、風向きは変わったのか?
しかし、ここ数年で、その状況は一変します。
EVに対する「逆風」が、吹き荒れ始めたんです。
その最大の要因は、やはり、トランプ大統領の返り咲きでしょう。
「地球温暖化なんて嘘だ」と公言してはばからない彼が率いるアメリカは、これからも、パワフルなガソリン車を作り続けるはずです。
そして、世の中の人々も、心のどこかで思い始めていた。
「本当に、ガソリン車はダメなのか?」と。
- EVって、本当にエコなの?(電気を作るのだって、環境負荷はかかる)
- EVって、結局コストが高すぎない?
- むしろ、EVの方が、環境に悪い部分もあるんじゃないの?
そんな、根本的な疑問が、世界中で噴出し始めたんです。
その中で、頑なに「ガソリン車の技術も、ハイブリッドの技術も、捨てない」と言い続けていたトヨタの戦略が、結果的に、再評価されることになります。
予想は外れた。でも、これも「時代の揺り戻し」
このソニー・ホンダのEV開発中止は、そんな世界的な「EV逆風」の煽りを受けた、象徴的な出来事だと言えるでしょう。
日本の誇る2大企業がタッグを組んで、テスラやBYDに食い込む。そんな夢物語は、残念ながら、ここで一旦、終わりを告げることになりました。
ここまで進めてきたプロジェクトを、このタイミングで中止する。その判断は、本当に苦渋の決断だったと思います。
僕自身、2010年代に、この大きな潮流が始まった時、「21世紀の半ばには、世の中の全ての車がEVになっているだろう」と、信じて疑いませんでした。
この点に関しては、僕の予想は、見事に外れた、と言わざるを得ません。
まさか、世界が、こんなにも早く「巻き戻し」を始めるとは、読み切れていませんでした。
でも、世の中って、そういうものなんですよね。
振り子のように、行ったり来たりを繰り返す。
今、トランプ大統領の存在によって、振り子は「反・環境」の方向に大きく振れています。
でも、また20年後、新しいリーダーが登場し、世界の価値観が変われば、再び「環境問題が大事だ」という時代がやってくるかもしれない。
その時、日本が、また世界からバッシングされる、なんていう未来も、なきにしもあらずです。
「一つのことを、貫き通すことの難しさ」と、「時代の流れを読むことの重要さ」。
今回のニュースは、僕らに、そんなことを、改めて教えてくれているような気がします。
EVの未来がどうなるのか、僕にも分かりません。
でも、僕らの生活に欠かせない「車」という存在が、これからどんな進化を遂げていくのか。
一人の消費者として、その行方を、しっかりと見つめていきたいなと思います。