これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。
3月の末をもって、タバコの成人識別カード「taspo(タスポ)」のサービスが、ついに終了したというニュースがありました。
「タスポ」と聞いても、もはやピンとこない、という人も多いかもしれません。
タバコの自動販売機にかざすことで、成人であることを証明し、タバコを購入できる、というシステム。昔は、喫煙者にとって必須のアイテムでした。
このニュースを聞いて、僕が最初に思ったのは、「まあ、タバコを吸う人も、自販機も減ったし、システムの維持費を考えたら、そりゃなくなるよな」ということ。
でも、どうやら、本当の理由は、もっと別の、そして、もっと根深いところにあったようなんです。
タスポの“命綱”だった、3G回線の終わり
今回のサービス終了の、直接的な引き金となったのは、NTTドコモの3G回線「FOMA」が、3月31日をもって、サービスを終了したことでした。
「え、タスポと3G回線に、何の関係が?」
そう思いますよね。
実は、タバコの自動販売機は、この3G回線を使って、通信を行っていたんです。
僕らがタスポをかざすと、自販機は3Gの電波を使って、そのカードが偽物ではないか、有効なものかを、瞬時にサーバーに問い合わせて、認証していた。
つまり、3G回線は、タスポシステムにとって、まさに“命綱”だったわけです。
その命綱が断たれてしまえば、もう、どうしようもない。タスポが、その役目を終えるのは、必然だったんです。
これは「タスポ」だけの話じゃない。“レガシーシステム”が抱える宿命
この話、実は「タスポ」だけの問題ではありません。
僕らの社会には、このタスポのように、今はもう古くなってしまった「レガシーシステム」の上で成り立っているサービスが、まだたくさん存在しているはずです。
今回の3G回線終了によって、僕らが知らないところで、ひっそりと姿を消していったサービスが、他にもたくさんあったのかもしれません。
インフラって、そういうものなんですよね。
一つの技術が、様々なサービスを支え、その技術が古くなれば、その上に乗っかっていたものも、一緒に姿を消していく。
FOMAという新しい通信技術が生まれ、それを使ってタスポというシステムが生まれ、そして、時代の変化と共にFOMAがなくなり、タスポも消えていく。
言ってしまえば、ただそれだけの話なのかもしれません。
でも、この「生まれては、消えていく」という、テクノロジーの大きなサイクルの中にこそ、僕らの社会が、どうやって成り立っているのか、その本質が隠されているような気がします。
ただ「懐かしいね」で終わらせるのではなく、その「終了」の裏側にある、テクノロジーの大きな流れに、少しだけ思いを馳せてみる。
そんな視点を持つと、日々のニュースが、また少し、違って見えてくるかもしれませんね。