東南アジアでワールドカップはできる?ワールドカップ共同開催の可能性と問題点


ASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議がありましたが、その中で2034年のワールドカップをASEAN所属の10カ国で目指すという合意が行われました。

こうした形でワールドカップの共同開催を目指すというのはなかなか斬新ですね。

東南アジアとサッカー

ASEANというのは、外務省のホームページにこうあります。

東南アジア10か国から成るASEAN(東南アジア諸国連合)は,1967年の「バンコク宣言」によって設立されました。原加盟国はタイ,インドネシア,シンガポール,フィリピン,マレーシアの5か国で,1984年にブルネイが加盟後,加盟国が順次増加し,現在は10か国で構成されています。2015年に共同体となったASEANは,過去10年間に高い経済成長を見せており,今後,世界の「開かれた成長センター」となる潜在力が,世界各国から注目されています。2017年に設立50周年を迎えました。

現在10カ国が加盟しています。

東南アジアは毎回ワールドカップに出場するようなサッカー強豪国はありませんが、サッカー人気は非常に高まっています。ヨーロッパだけではなくJリーグも注目されており、Jリーガーにも東南アジアの選手がアジア枠として出場できるような仕組みになっています。

また、現在は本田圭佑選手がカンボジア代表の監督を務めるなどでも話題になっていますね。

ワールドカップと共同開催

ワールドカップは原則として1カ国開催がルールとなっています。

2002年に日本と韓国で共同開催が行われましたが、当時もあれっきりにすると明言もしていました。

しかし現在は2022年のカタール開催、2026年にアメリカ、カナダ、メキシコの三か国で開催が決まっています。

共同開催の例がまた出たということで、東南アジアでの共同開催も絶対にありえないとは言い切れないかもしれません。

数年前に韓国のサッカー協会が韓国、北朝鮮、中国、日本での共同開催を目指すという報道もありましたが、他にも中東でも同じような動きもあります。

この共同開催を目指す国が増えた背景ですが、FIFAの厳しい開催国の条件があるからといわれています。

Wikipediaにはこう書いてあります。

収容4万人以上の会場が12カ所必要で、開幕戦と決勝戦は8万人以上・準決勝は6万人以上が観戦可能な規模の競技場で行う事が基準となる。更に屋根が客席を覆う範囲、控室の設備、さらには観客が利用する場内のトイレ、バリアフリーなどに至るまで細かい条件が設けられている。

こうなってくると、なかなか1カ国で開催するとなると大きな国じゃないと難しいですね。

大きなスタジアムを作ったとしてもその後の運用の問題もありますし、共同開催にして負担を分担したほうがよさそうです。

共同開催の問題点

共同開催は個人的には小さな国でも誘致ができる可能性を秘めているという意味ではアリだと思いますが、問題点もあります。

まず、どこの国がメインになるのか、ということです。開会式や閉会式をどこでやるのかという問題です。

あまりにも規模が広くなってしまうと、試合ごとに国を移動することになり、選手だけではなくお客さんもちょこっと大変です。

一番の問題点は、開催国が出場する枠の問題で、2026年の大会については出場国が増えるので大丈夫かもしれませんが、さすがに10カ国開催となったら、全部がでるわけにはいかないですよね。

10カ国でトーナメントやって強いところがでるとか、あとはASEAN共同チームをつくるとか、いやでも共同チームはちょっとFIFAの方針としては違いそうな気もしますけどね。

2030年のワールドカップは、モロッコが周りの国を巻き込んで共同開催なんて話もありますし、アルゼンチンやウルグアイなど南米で共同開催という話もあります。

ワールドカップの共同開催はしばらくトレンドになるのでしょうか。