QUESTIONより
世の中だいたい多数決で決める事多いですが、多数派=正しい事みたいに意見を摩り替えられる事にいつも疑問を感じてます。彩雨さん疑問を感じた事ありませんか?
まぁこれは難しいところですが、多数決という考え方も、公平なように見えてなんともいえないところがありますよね。
多数決は正解とは限らない
大前提として、この社会は多数決で成り立っていますよね。
政治はまさにそうで、多数を占めたほうが決める仕組みです。
裁判に関してもある種そうですが、まぁこれについては例えば多数決で世論が死刑だといっても死刑になるわけではないので、違う側面もあります。
多数決というのは小学校から行っているシステムですし、なんか自然と決定事項は多数派が決めるという考え方がもう定着しています。
とはいえ、なにかを決めるにあたって多数決をとったとしても、多数決で選ばれたものがすべて正解というわけではないですよね。
なにかの事案に対して真剣に考えている人が一人、どうでもいいと思っている人が大勢いた場合、多数決をとると真剣な人が負けるケースもあります。
どうでもいいと思う人でどうでもいいことを決めるには多数決はいいかもしれませんが、みんながちゃんといろいろ考えているという大前提がなければ、多数決システムはどうにもうまくいきません。
数の暴力
怖いのは、数の暴力です。多数決というのはまさに暴力です。
多数派が少数派をどうにだってすることができます。
もし小学校のクラスで、少数派をいじめてもいいみたいな形になれば、それもまかり通ることになります。
もっとも人間社会には秩序があるので、多数決をとっていじめるなんてことはないとは思いますが、現実にもある一部のカテゴライズによる差別の問題は、スケールが変わっただけでこれと同じ理屈です。
多数決は全会一致ならともかく、必ず反対派というのは存在します。
多数決でジャッジするとなると、反対派を完全否定することになります。
100人での多数決で49対51だった場合は、ほぼ半数近くの人がそれに対して反対をしているわけです。
多数決でそう決まったとしても、社会はこの状態ではなかなかスムーズにはいきません。
政治の世界だとこれを防ぐために、3分の2以上じゃないとダメとか、いくつ差なら決選投票するとか、そんな仕組みになっていますが、それでもどんなことをしたって反対派がいるわけです。
多数決の最大の欠陥は、この反対派を完全につぶすことができることです。
そのため多数派を占める賛成派は、敗者である反対派のことをどれだけ配慮できるかも、のちのち重要になります。
早い話が、大勢でご飯を食べるとき、どうしても肉が食べたい人と魚が食べたい人で多数決になってしまって魚が勝ったとしても、もしその魚系の居酒屋に肉料理があったら、それを気を使って頼むくらいのことはしないとね、ということです。
この気持ちがあれば、多数決システムの欠点を補うことができます。
多数決にはやっていい場合とダメな場合がある
こうやって考えると、多数決というのはいくつか多数決をしていい状態とするのはよくない状態があるように思えます。
まず、多数決で決める事柄に対して、参加者全員が同じくらい真剣に向き合っているということ。
参加者全員が多数決で敗れた側に対しても、しっかりと秩序ある対応ができること。
とりあえずこの二つは必須条件かもしれないですね。