性の二元論はもう古い…!男と女の他にはなにがある?


近年はLGBTに対する理解と認知が深まる世論の中、なにを持って男なのか、なにを持って女なのか、というのは頭ではわかっていながらも、わかりにくい一面もあります。

また、セクシャルマイノリティはLGBTの4つがセットになって考えられていますが、それ以外にもいろいろなものがあります。

LGBTに関しても、言葉が先行してその4つのなにかに当てはめて考えてそうなものですが、そういうわけでもありません。

ちなみにおさらいですが、Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャルを指す言葉です。

Tはトランスジェンダーで、体と心の性が一致しないことをいいます。手術などで体と心の性別を一致させる人もいれば、そのままの状態を受け入れている人もいるので、トランスジェンダーというのも幅広い言葉です。

これを機に、他にどんなものがあるのか、知っておきましょう。

エックスジェンダーのX

エックスジェンダーというのは、男でもないし女でもない、という立場の人です。

Xというのは数学用語の「第一の未知数X」の類義語から来ている言葉です。Xジェンダーをクロスジェンダーと読む人も多いですが、実際にはエックスジェンダーです。Crossだとニュアンスが変わってしまいますね。

エックスジェンダーにもいろいろな方がいらっしゃいまして、男でもあり女でもあるという方もいれば、中性だという方もいれば、男でも女でもない無性という方もいます。

この三つは似ているようで全く違います。このあたりは、世の中、二元論でしか物を考えられないと到底理解しがたい話ではあります。

また、男と女の間で揺れ動くという不定性という方もいます。流動的に、その時々で男であったり女であったりするわけです。

クエッショニングのQ

クエッショニングというのは、男なのか女なのかわからない、もしくは決めていないことをいいます。

エックスジェンダーとちょっと似ているところもありますが、エックスジェンダーは自分の性自認について答えを出している状態、クエッショニングは出してない状態ということです。

結局一緒じゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、悩む方にとって答えを出すというのは大変なことです。

こういうのはなによりも自分が一番安定する状態のところに置いておくのが一番いいのです。

わからなければ、わからない、決めてなければ決めてない。それでいいのです。そのためのクエッショニングです。

インターセックスのI

これまで紹介した話は心に影響する部分ですが、こちらは体に影響する部分です。

ちなみにこのインターセックスをセクシャルマイノリティと混同して考えがちなところもありますが、ひとくくりにするのもちょっと違うかもしれません。

インターセックス、日本語だと半陰陽という医学用語があります。

肉体的に男女両方の性を兼ねそろえている状態のことをいいます。

具体的には精巣と卵巣の両方がある状態です。二つある睾丸の左右で精巣と卵巣があるケースもあれば、睾丸自体に卵巣の成分が混ざるケースもあります。

二次性徴に関してもケースバイケースです。二次性徴についてはホルモンが大きな影響を与えます。

例えば心も体も男だと思って生きていても実は卵巣があり女性ホルモンが乳房のふくらみなど、二次性徴に影響を与えることもあります。

逆に心も体も女だと思っていても、精巣があり男性ホルモンが体に影響を与えるケースもあります。実際に陸上選手で女子の選手に実は精巣があり、男性ホルモンが多くでていることを理由にオリンピックで女性選手と認めるかどうか、という論争が起きたことがありました。

知ること以外に道はない

人生いろいろ、性別もいろいろということで、いろんな人がいて当然です。

近年は入試などでも、性別欄が廃止されるケースが増えているようです。

これもまた難しい話です。配慮で廃止されているようですが、これは厳密にいえば理解とはまた違います。

現在はこういった機運が高まっている中で、こういった性別欄をなくすとか、制服を男女問わず選べるようにするとか、そういった動きが多くみられます。それはそれでいいとしても、なんだかんだでこの問題は知ること以外の道はないように思えるんですよね。