QUESTIONより:メールの普及だけではない、彩雨さんが考える年賀状がなくなる理由


QUESTIONより

年賀状を出す人が年々減っているそうですが、将来的に年賀状という文化はなくなってしまうと思いますか?


年賀状は、そうですね。

日本の伝統的な風習や慣習はしっかり残しておきたいしリスペクトしたい気持ちのある彩雨さんですが、年賀状とハンコ文化はいつかなくなるんだろうな、と思っています。

年賀状の思い出

いつの頃からか、年賀状はもらっても出さなくなりました。

昔は年賀状はけっこう作るのが好きだったんですけどね。プリントゴッコとか使ってましたし、年賀状作成は年末のビッグイベントでした。

余談ですが、プリントゴッコについての記事がありました。

年賀状、みんな愛用したプリントゴッコ 製造会社はいま – ライブドアニュース

プリントゴッコは08年にすでに販売終了いるので、名前を知らない人も多いかもしれないですね。

プリントゴッコは年賀状文化よりも以前、どうしてもパソコンの普及とともに衰退していきます。これもまた時代の流れです。

年賀状がなくなる理由

年賀状は、いつかなくなるのではないかと思っています。一番の理由はメールやSNSの普及ですが、それ以外にもそう思う、いくつかの理由があります。

1つ目は個人情報の問題です。

みなさんは、友人、知人の住所がわかりますか?自分はわかりません。摩天楼オペラのメンバーですら、住所は知りません。家には行けても、住所は知らない、そんなケースは多いと思います。

今は昔と違い、いわゆる住所録という存在がなくなりつつあります。学校でも名簿を配布しなくなってきているそうですね。昔は、住所氏名電話番号が公開されていたものです。

学校で配布されていた名簿が当たり前のように名簿屋に流れ、企業がそれを買いダイレクトメールを送ったり営業の電話をかけるわけです。今だったら考えられないガバガバの個人情報ですね。

年賀状を送るために住所を教えて下さい、っていうのも少し前はよくあったものです。まぁ、わざわざメールなどで住所を教え合うというのも、もはや結婚式の招待状くらいでしか残ってないようにも思えます。

もう一つは考え方の問題ですが、近年は元旦になったからといって必ずしもその瞬間にメールやLINEを送るという文化も、昔よりなくなってきているように思えます。

これこそまさにSNSへコミュニケーションの場が移動したからかと思います。10年、15年前くらいまではその舞台はまだメールでした。

そのため、通信は元旦の瞬間にはパンパンになります。重要な諸連絡がこのせいでできなくなるというのも社会問題になり、控えるようにとアナウンスされるほどのものでした。

今は除夜の鐘を昼間に打ち、元旦はコンビニを締めるべきという論調も生まれるうような時代感です。あけおめ連絡もSNSに投稿はすれど、必ずしも午前0時にする必要すらもなくなっていく傾向になるのではないかなと思っています。そんな世の中で、年賀状を出さなければ、と思う人も減ってくるのではないかな、と思っています。

3つ目は2つ目に関連しつつ、現実的な話です。

昨年末はかんぽ生命の問題で郵政も大きな話題になりました。郵便局員の働き方に関してはこれまでも問題となっており、以前は年賀状はがきの販売について過剰なノルマが課せられたことが問題になりました。

現在、過剰ノルマがどれほどの実態のものかわかりません。ただ、予想ですけど、現在の年賀状文化を支えている数字の上での一部は、このノルマの影響もあるのではないかと思っています。

先程も言ったとおり、今はコンビニすら元旦は閉めるべきでは、24時間営業はやめるべきでは、という風潮もでてきました。これまでの日本では考えられないことです。

年賀状は郵便局にとっては年に一度の稼ぎ時で、とても貴重な収入源だとは思います。ただ、社会自体は過剰な働き方を年末年始にするというのにNOを言えるような論調になっている中、たとえそれが稼ぎ時だろうと、これまでのように大晦日に大勢で出動するような映像をよしとしない世の中になっていくのではないかと思います。

こういった年賀状というのは大事な文化だとは思いますが、正直いまだに送っている人も、惰性でやっている人もいるのかなと思います。なにかきちんと価値を見いだせなければ、このまま多かれ少なかれ、いつかなくなるものなのだろうなと思います。