商品って、だいたいグレードがありますよね。細かくカスタマイズできるようなものもあれば、松竹梅のように売る側で複数の選択肢を提示しているものもあります。もちろん、1種に限定して、あえてそれをドンと売るタイプのものもあります。
こういったものはケースバイケースで、一番いい売り方を求めていろいろ考えるわけですが、なかなか面白いですね。
iPhoneは真ん中が選択される
iPhoneは昔は基本的に1種売りでしたが、スマホ普及とともに複数のタイプを売る方向へシフトしました。
そんなiPhoneですが、グレードとしては6割の人が真ん中を選ぶそうです。
3つの価格帯を用意し客に真ん中を選ばせる戦略 iPhoneでは6割超が選択 – ライブドアニュース
まぁ気持ちはわからないでもないですが、自分はけっこう状況によっては高いのにしたり安いのにしたりすることもあるタイプです。でもあまり興味がない分野のものでしたら、無意識で真ん中を選んでしまうかもしれません。
こういった松竹梅という考え方は日本だけではなく世界中であります。お客さんの心理的な部分もあり、あえて高いコースを設定することで、真ん中のコースの金額がさほど高くない印象にさせるというテクニックもあるでしょうね。内心は一番上が売れたらラッキー、本当は真ん中を売りたい作戦なのかもしれません。
選択肢は多くない方がいい
日本でサブウェイが苦戦しているというニュースが、昨年だったかありました。サブウェイは自分でいろいろカスタマイズし食べるというスタイルですが、この選択肢の多さが、日本では受け入れられない側面があります。
選択肢の多いコーヒー専門の喫茶店では、ホットコーヒーといっても数多くの選択肢があるわけです。前に某喫茶店で、ホットコーヒーを注文して、店員がどの種類にするか聞いたときに種類が多すぎて怒ってるお客さんを見たことがあります。
コーヒーが好きならそういった選択肢の多さは魅力ですが、普通の人にとってはそれが魅力になるとは限りません。日本酒がめっちゃ好きなら日本酒がたくさん置いてある居酒屋にいったら楽しいですが、普通は何を頼めばいいかわからないですよね。
「決定回避」と「現状維持」の法則というのがあって、選択肢が増えすぎると逆に何も決定せず現状を選ぶという心理があります。
これは音楽サブスクでも同じようなことがあてはまるかなと思ってまして、自分は楽しむの半分、研究半分で音楽を聞くのでちょっと例外はあると思いますが、たくさんの選択肢があるなかでも、もしかしたら同じアーティストの同じ曲ばかり聞いている人も多いかもしれません。
そういったところで、サブスク側だったりアーティスト側が、どういった音楽体験をリスナーに提供できるかというところもこれからの大事なところになっていくのかなと思っています。