早くライブをやりたいな


世界の中でも今回のコロナ対策で成果を挙げている国の一つが韓国です。

韓国では一足先に多くの自粛を解きはじめているだけに、自粛後の様子を探る一つのモデルケースとなっています。

そういった中、残念ながら韓国ではクラブや居酒屋などで集団感染が再びみられるというニュースがありました。世界中に、やはりライブハウスも危険なのでは、と思われても仕方ないニュースとなってしまいました。

ライブ活動再開のタイミング

自分はバンドマンですので、それはもちろんどのタイミングで、どのようにライブ活動を再開するのか、というのを毎日考えています。

世の中のバンドマンはみんなそうだと思いますが、なかなかセンシティブなところでして、だれもがこのことについて深い言及はできません。そのときになったら、としか言えません。

今はライブなど論外!と世の中に怒られてしまいそうですが、それでもどうにか早期にライブを再開させるにはどんな方法があるのでしょうか。

来月以降も国や自治体が名指しでライブハウスはダメ、と言ったらどうにもならんのですが、そうじゃなかった場合は、ライブ活動再開の可能性を模索することくらいはしていいですよね。

ガイドライン制定は必須

現実的にライブ活動を早期で再開させるためには、数多くのガイドラインを設ける必要があります。

ガイドライン制定の目的は、世の中に発信するためです。本当は国に制定してもらいたいですが、国はおそらく自粛してくださいとしか言えないかなと思うので、業界側がガイドラインを提示し、どうかこれでライブをやらせてくださいと世の中にお願いをする形になります。

お客さんにも相当な制限や負担を強いることになるでしょう。

今、漠然と自分が考えるガイドラインを思いつく限りあげていくと、こんな感じです。(※摩天楼オペラがこうする、というわけではありません)

  • お客さんのマスク着用義務
  • お客さんの氏名、電話番号の提出義務
  • 現在、熱や咳などの自覚症状がない確約
  • 職場や家族にコロナの患者がいない確約
  • 高齢者と同居していない確約
  • キャパに対して動員数を抑え、空間的な余裕を持たせる
  • お客さんの声出し、飲食を禁止
  • 公演時間を短くする

これをすれば感染しないのか、それはわかりません。なにやっても感染するときはするでしょうし、なにごとも100%なんてありえません。

気をつけながら経済活動を行っていくという社会通念には反していないとは思いますが、それを決めるのは僕らでも国でもなく、世の中の論調です。マスコミやネット民の餌食になる覚悟も必要です。

もちろん、そういった対策や制限をしてまでライブをやるのか、という問題もあります。そもそもこれで収益的にもプラスになるのかどうか、ということも含めて。

危惧すべきは行動変容

一番いいのは、コロナが落ち着いたら、全国民がコロナのことなど忘れて以前のような生活に戻ることです。

しかし長引けば長引くほど忘れられないことになっていくわけで、バンドマン的に一番最悪のシナリオは、「コロナ騒動は落ち着いたけど、第二波、第三波もあるかもしれないし、さらに未知の感染症もこれから生まれるかもしれないから、これからもライブハウスは避けよう」となる行動変容です。

じゃあ満員電車はどうなの?

満員電車とライブハウスの何が違うのか、もはやその状況になったらそんな理屈は通用しません。ダメなものは、ダメなのです。

そこで有識者は、それならばバンドマンはライブハウスでライブをやる以外の稼ぐ方法やエンターテインメントを考えるべきだ、という論調になります。一般的なアフターコロナ論にもありがちなやつです。

ぶっちゃけ自分もまた、自分に直接関係のないフィールドの人に対して、同じようなことを思いますし、言いますからね。ハンコ業界はなくなる、とかね。

でも当事者としては、そんな簡単なことではありません。

ネット配信しろよとみんな口をそろえていいますが、ライブの醍醐味を知ってしまっている以上、それはあくまで別物なんですよね。いや、もちろんライブ配信もこれまでも何度かやってますし、それはそれでやるとはいえ。

冒頭で一番いいのは、と書きましたが、自分にとって「一番いい」というのが、世の中的には「一番悪い」となるわけです。これが行動変容の恐ろしいところです。なんせ、ライブは言い方を変えれば三密を楽しむ場所ですからね。

注目している他業種

自分が兼ねてより注目している他業種は、スポーツとディズニーランドです。

内容は違えど、音楽イベントもJリーグやプロ野球、ディズニーランドの客入れ開催時期やその対策、ガイドラインを参考にする形となると思います。そのため、このあたりの動向については自分も常にチェックをしています。

おそらく先ほど挙げたようなガイドラインをスポーツやディズニーランドも打ち出すのではないかなと予想しています。あとは時期の問題ですが、個人的にはスポーツやディズニーランドより先に音楽イベントがお客さんを動員するのは難しいかもしれない、と考えています。やはりスポーツやディズニーランドよりも三密状態になるだけに。

期待したいミラクルも

3月の段階ならまだしも、この段階ですと、もし急になぜかコロナウイルスの新規患者が急にゼロになったとしても、早期のライブ活動再開は難しいのでは、という見方もあります。

それが「ここで自粛を緩めたら…」というものです。いや、それはもっともなことではありますが、逆にいつならいけるのか、正解が誰にもわからないことに対する不安はあります。

なので、自分が期待しているミラクルは別のところにあります。そしてそれは、もしかしたらもっと起きやすいミラクルかもしれません。

その一つが抗体検査、そしてもう一つがPCR検査より簡単な検査の確立です。抗体がある、もしくは検査は陰性の人のみがライブハウスに来る人ができる、ということです。

抗体検査というのは以前にも話題に出しましたが、もしかしたらこれまでの期間でうっかり新型コロナウイルスに感染していて、もうすでに抗体を持っている可能性があるということです。

ちなみに抗体を持っていれば、感染しない…と断言はできません。

簡単な検査というのも世界で話題になっていて、海外では唾液を使った検査法を認可する、というニュースがありました。PCR検査の数を増やすのは難しいですが、もし簡単に検査できるようになるなら、話は少し違います。ただこちらに関しては、誤陰性の可能性と、いつの段階での陰性なのか、また、陽性者が多く出た際の医療現場への負担など、問題点も多いですね。

自分で言って自分で否定しちゃって変な話ですが、さすがのポジティブ人間&ご都合主義の自分ですら、このロードマップを見つけられないでいます。

ミラクルが起きても難しいかもしれない側面も

以上のことは、すべてイベント開催の一点のみに焦点を当てていますが、ライブというのは家を出てから帰るまでがライブです。

もしかしたら、その移動でお客さんが感染するかもしれない、さらに他県への移動で広めてしまうかもしれない、という可能性について、どこまでお客さんの自己責任でいいのか、という問題もあります。

でもこれって、学校や仕事だってそうでしょ?と思う人もいるかもしれません。

交通機関や外食での感染リスクについては、それはライブも仕事も同じです。ただ、同じだからいいじゃん、という論理が通用するのは小学生までです。

例えばライブに行くために飛行機に乗ってそれが墜落するかもしれないわけです。じゃあ、墜落してお客さんが亡くなったら、それはライブ開催に原因があるのか、と似ているところもあります。

たしかにその通りですが、コロナについてはそれが同じじゃない部分がある、というのがコロナとエンタメの難しい駆け引きといったところで、この切り分けについても無視はできないわけです。それだけ、コロナが社会的に与えている影響が大きいということで、理屈だけではどうにもならないところまで食い込んでいます。

そもそも、ツアーの場合は東京からバンドがライブしに地方へ行く、ということへの道義的な問題も大前提としてありますしね。

つまり一番いいたいこととは

早くライブがやりたいな。