死にたくなったらどこに行く?死にたくなったら探したい2つの場所


死に場所を探す前に、探したい場所があります。

2017年はインターネットと自殺についてもう一度考えさせられる凄惨な事件が起きた年でもありました。こういった問題は10年以上前にも集団自殺するという自殺サイトなるものの存在が明らかになり社会問題になり、昔からある問題でもあります。

また、自殺者はトータルでは減少傾向にあると言われています。数々の取り組みが功を奏しているのかもしれません。社会の構造も変わってきたのもありますね。

それでも毎年多くの自殺者を出しています。ただ、自殺したいという願望はそれこそ数万年前、数千年前から変わらずある世の中だとは思うので、あとは社会がどれだけストッパーを用意できるかということに尽きるのかと思います。

インターネットによるセーフティ

さて、2017年の座間事件のきっかけともなってしまったツイッターですが、死にたいなどと投稿すると相談窓口に電話して、というリプが飛んでくる仕組みになるそうです。

ツイッタージャパン、新機能検討 自殺願望つぶやき、「相談窓口」に誘導(SankeiBiz) – Yahoo!ニュース

すでにヤフーやグーグルではそのように検索すると厚生労働省が行っている以下の検索結果が最初にでます。

ためらわずに、助けを求めることが、何よりも大切です。

0570-064-556 (こころの健康相談統一ダイヤル)

こういった試みも、アリでしょうね。本当に死にたいやつがそこに電話するのかという意見もありますが、一人でも電話してくれたらいいじゃないですか。それに、その他の検索結果も自殺に対するセーフティの内容が多く出てますし、ネット=自殺幇助と決めつけてしまうのはよくないことです。

道が見えない

昨年は過労死、過労自殺についても大きな社会問題となりました。ツイッターではこのような漫画も投稿され、話題になりました。

過労自殺…それでも「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由(マンガ)

もしかしたら、自殺というのは毎日死にたい死にたいと思ってる人だけがするのではなく、ほんのふとした瞬間でそうしてしまう人もいるのかもしれません。

元気なうちは周りが見えますが、追い詰められていくと周りが見えなくなっていくもの。その中でどう道を照らしていくか、ということなのでしょうね。

行政も自殺防止についていろいろな取り組みをしていますが、本当の意味で自殺者をなくすにはどうしたらいいのか、難しい問題ですね。

大阪は自殺率が低い

統計上、全国の中で大阪は自殺率が低いというデータがあります。一部の記述によると、大阪の企業は残業がほかの地域よりも少なく、また会社でも地域でも人間関係が濃く、声掛けのコミュニティが継続して残っているとありました。大阪で暮らしたことがないのでわかりませんが、いわれてみるとそうなのかもしれません。

また、大阪の「あほくさ」「やってられまへんがな」という合理的精神も自殺防止につながっているという記述もありました。

こういった地域性や精神性も、なにか自殺防止へとつながるカギになるのかもしれません。

二つの逃げ場のある生き方を

ある統計によると、日本の自殺者は他の先進国と比べると高いというデータがあります。死ぬ気で何かをやる、死んで詫びる、といった精神が昔からあります。そういった生真面目なところが資源がない日本を世界有数の先進国へとしたとも考えられますが、その一方で追い詰められやすい、また追い詰められたときの逃げ場がない社会となっているのかもしれません。

会社でも、学校でも、地域でも、家庭でも、逃げ場がなくなっている、また逃げるのを許されない状況になっている、という社会、言ってしまえばそういう生き方こそが原因の一つのように思えます。

残念ながら社会はすぐには変わりません。周りの人の考え方も変わりませんよ。

その中で彩雨さんが大事だなと思ったのは、二つの逃げ場です。

一つ目は物理的な環境面での逃げ場です。ライブハウスでもいい、近くの飲み屋でもいい、ネットゲームのギルドでもいいです。きついときは何に追い詰められているのかすらわからなくなりますが、だいたいきついのは会社、学校、家庭の三択だと思います。自分の所属先をそれ以外のなにかに少しでも分けることができれば、そこが一つの逃げ場として機能するのかなと思います。自分の所属先、ささいなものでもいいのでいろいろ探してみたいところです。

もう一つは精神的な逃げ場です。きついときは何に追い詰められているのかすらわからなくなりますが、だいたいきついのは、「もう目の前のそれをやるか死ぬか」という選択肢しかなくなる状況になることです。先に紹介させてもらったマンガの一本道状態です。きついときに、それ以外の選択肢を見出すのは難しいかもしれません。

会社の仲間や家庭にもいませんか?「死ぬ気でやれ」っていう人。

その中で、仕事さぼればいいとか、趣味の時間を、とかいうアドバイスはナンセンスですよね。だって仕事が忙しいんですもの。じゃあどうしたらいいかというと、心の中でいつも「あほくさ」「やってられまへんがな」って思ってみたらどうでしょうか。ぱんぱんに詰まった脳みそと心に、どっかほんの少し隙間ができませんかね。

物理的な環境面での逃げ場と、考え方としての精神的な逃げ場の両方を、自分の中でうまく探しながらこの息苦しい社会で折り合いをつけていきたいものです。この世の中は、嫌なことばかりです。でも、その中で楽しいことをいつも探し、そして素敵な人生を送りたいものです。