生活保護を受けるくらいなら死んだ方がマシだ


菅総理の「最終的には生活保護がある」という部分の発言が切り取られて話題になっていますね。

生活保護はいくつかあるセーフティネットの中でも最後の砦の一つで、とても大事な制度です。

しかしその一方で「生活保護は死んでも受けたくない」という声も聞こえます。

生活保護を嫌う社会の理由

コロナによって雇用を打ち切られ、生活が困窮する人が増えていますが、生活保護を受ける人もそれに合わせ少し増えているようです。

しかし、その伸びはゆるやかということで、多くの人が生活保護に頼るというわけでもありません。

どんなところに理由があるのでしょうか。

原因はいくつかありそうです。

日本はこういったセーフティネットはかなり充実しているとは思います。ですがこの生活保護、受けるためには多くの手続きが必要です。とはいえみんなが不正受給がないようにそれなりに手続きは必要ですよね。

個人的にネックになっているのは、法律で定められているこちらのルール、「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある。」ということかなと思います。これに近い法律は、調べてみるといくつかあります。助けなきゃいけない、ということを扶養義務と言いますが、日本は兄弟や三等親以内の親族が含まれるなど、この扶養義務の範囲が広いことが特徴です。これはつまり、自分の生活が困っていたら、親や兄弟など親族がまず最初に助けないといけない、とあるのです。

実は生活保護のルールに、こういった助けてくれる親族がいるならば生活保護を受けてはいけない、という決まりがあるわけではありません。ですが「扶養照会」という親族への調査が入ります。親や兄弟に自分の困窮状況を知らせることへの抵抗感もあり、この扶養照会が生活保護普及の妨げになっている側面があります。

生活保護を受ければみんながハッピー

あいつは働かないのに生活保護をもらって生活している!ずるい!

というイメージもあります。

最近はありませんが、昔はテレビなどでも生活保護不正受給などもけっこう話題になりましたよね。そのような中、なんとなく生活保護のイメージが悪くなってきているように思えます。

しかし本来はずるいとかそういうことではなく、生活保護をたくさんの人が受け、その人たちがお金を使ってくれることで、普通に働いている人たちが儲けることができる仕組みが、この資本主義の社会なんですけどね。

生活保護というのは、みんなが受ければ、みんながハッピーになる、そういった非常に優れた制度なんです。

このイメージの悪化は残念ですね。なんか日本人は素直で単純なので、「生活保護」の名前を変えてみたら、もっと浸透したりして。なんか適当な横文字にでもしたらどうでしょう。

生活保護廃止論も議論が必要

思い切ったアイデアで、生活保護、年金を廃止し、ベーシックインカムの導入を、という意見もあります。

生活保護の金額は家族構成、地域によって異なります。生活に必要な金額が人によって違うからです。

バラツキがありますが、イメージ的には一人暮らしだと7万円~10万円くらいなのかなというところでした。

それならば強制的に全員に生活保護を渡してしまおう、というのがこのベーシックインカムです。月10万を全員に渡し、その人の所得に合わせ所得税なりなんなりで回収するという仕組みにすることで、それを財源にする形です。低所得者はこの10万円のベーシックインカム+いつもの給料で税金がちょっと高くなるかな、くらいのイメージです。高所得者は税金がめっちゃ高くなったな!という感じになっちゃいますけど。

現在は年金制度はすでに破綻している状況に近く、生活保護も受けたくても受けにくい状況があるのであれば、強制的に金を渡してしまえばいいじゃないか、ということです。

実際にこれをやったら多くの人はどうにか収入を減らしていっぱいお金もらえるようにしよう!って思う人も多そうですね。最終的にはこういったところにもデジタル円の導入よりお金の流れに透明性をもたせることで、税金周りのことはすべてオートでやれるようになるのかな、なんて思っています。

今すぐやったら問題も多そうですが、数十年後はわかりませんね。世の中の変化は早いですからね。

生活保護を受けるくらいなら死んだ方がマシだ、という考え方が少しでもなくなるような雰囲気づくり、制度面でも気持ち面でも、もう少し進むといいですね。