現在、世界中でブルカ禁止の動きが進んでいます。
非常にナイーブなテーマですが、あえて触れてます。
長くなりますので、2つに分けます。
第1回は、ブルカとは、そしてなぜ髪を隠さなければならないのか。
第2回は、ブルカ禁止の世界的な流れについてです。
ブルカとはなにか
そもそもブルカとはなんでしょうか。
あまりみなさん、日常的に耳にする言葉ではないかもしれませんね。
ブルカというのは、イスラム教徒の女性が外を歩くときに全身を隠す大きな服です。
上から下まですっぽり隠します。
目は空いているのではと思いがちですが、目も隠します。一応、隙間は空いています。
目の部分についての話をもう少し捕捉しますと、どうやらブルカというのはそもそもは鼻などを隠すマスクであり、目や口は空いていたとのこと。それが地域が変わり形も変えて、全身を覆う大きなマントのように変わったようです。
一応誤解のないように言いますと、ブルカというのはこういうものです。めずらしく画像つきで紹介します。
Wikipediaの画像を拝借します。
一方で、日本でもよく見かけるこういうものはヒジャブといいます。同じくWikipediaから引用です。
なぜ隠すのか
そんな全身を覆って、歩きにくくないのか、と思うことでしょう。
イスラム教では、女性は髪などを隠さなければならない、という話を聞いたことがある人も多いと思います。
これは日本人ならOKという話ではありません。
前にイランで代表戦が行われたとき、イラン大使館がサッカー観戦に訪れる日本人に対してかなり細かい注意事項を提示したことがあります。
https://www.ir.emb-japan.go.jp/jp/consular/demo/sakka.html
郷に入れば郷に従えということで、知っておきたいルールの一つです。
では、そもそもなぜ隠さなければならないのでしょうか。
それは、コーランにそう書いてあるからです。
コーランというのは、イスラム教の聖典のことです。
そこには「美しい部分は隠せ」と書いてあります。
美しい部分ってどこだという話ですが、その解釈として、全身、顔、髪などいろいろバリエーションがあります。
同じイスラム教でも、国や宗派によってこのあたりの考え方は違います。
一般的には髪は隠している人は多いです。
これはスポーツ選手でもそうで、サッカーでは髪の毛を隠すヒジャブ付きユニフォームも存在しています。
その中で、全身を隠すという考え方を持っている人は、ブルカを着用しているという話です。
これは抑圧なのか
日本、もしくは欧米の考え方ですと、こういった服装に対してルールが設けられているのは、おかしい!と考える人もいるかもしれません。
しかしこれこそ、文化の違いというものです。
日本は服装に関してのルールはあまりありません。ですが、例えば水着で電車に乗る人はいないですよね。なぜいないのか。
さすがにモラル的にどうなんだって話です。一般論として理解しやすいと思います。
逆に言えばなぜ海水浴場で水着で歩いていていいかというと、それはモラル的にOKだからです。
世界には、たくさんの考え方があります。
その一方で、グローバルスタンダードという言葉もあります。
たくさんある考え方も尊重しつつ、なんとなく世界共通のルールも決めておきたい、そんな大きな矛盾を現代は抱えているということです。
現在、世界中でブルカ禁止の動きがでています。
日本でもそうなるかもしれません。
私はイスラム教じゃないし、ここは日本だし、どうでもいい!と考える人も多いと思います。
しかし国際化が進み、多くの外国人が日本で暮らすようになる世の中はすぐそこまできています。その中で、もしかしたらブルカを着用する方がオペラーの友人に、職場の同僚に、ご近所さんになるかもしれません。
次回は、この世界的に進むブルカ禁止の話です。一緒に想像しながら考えていきましょう。