今年は東京オリンピックの年ですが、北京オリンピックの前年でもあります。
冬季オリンピックに出場するために活動している選手たちにとっては、とても重要な時期となっています。
そんな中、気になるニュースが飛び込んできました。
北京オリンピック、ボイコットの可能性
アメリカが北京オリンピックをボイコットする可能性を示唆しています。
米報道官、ボイコット是非も「議論したい」 北京五輪対応、同盟国と:時事ドットコム
その後、この発言、報道に対して修正が入りました。しかしそれはアメリカはボイコットについて議論をスタートしていないという内容のものでした。
ホワイトハウス「米国の北京五輪ボイコット論争」火消しへ…「議論したことない」(中央日報日本語版) – Yahoo!ニュース
まぁそりゃそうですが、問題はどう思っているかということです。アメリカ国内にもいろいろな意見があることがわかります。
バイデン大統領は中国寄りなんて話はどこへいったやら、トランプ元大統領以上に対中国へ厳しい姿勢をとっています。
何も決まったことではありませんが、アメリカ国務省の報道官がボイコットについて議論をしたい、という旨の発言をしています。
この理由は、ウイグル人への虐殺と、香港への弾圧によるものです。
ちなみに日本政府の立場としては、中国への配慮の姿勢も示していますので、虐殺行為を認定していません。ここの対応、間違えるととんでもないことになります。中国、アメリカ双方とうまくやりとりをしながら、この難しい問題をスルリと乗り越えられるか、外交手腕が問われます。
しかし、いざアメリカがボイコットするとなると、これはもう他人事ではありません。そうなれば、アメリカは同盟国に賛同を求めてきます。日本も合わせて北京オリンピックをボイコットする可能性がある、ということです。
政治とオリンピック
政治とオリンピックを絡めるべきではないという意見ももっともですが、事実上、すでにオリンピックは政治の中にあるイベントです。
また、こういった国際情勢を理由としてオリンピックをボイコットするという事例は過去にもありました。
冷戦が激しかった80年代は、80年のモスクワオリンピックはアメリカ側がボイコットしています。アメリカ側というのは日本も含みます。当時の選手はさぞ辛かったことでしょう。
同じ理由で、84年のロサンゼルスオリンピックは、ソ連側がボイコットしています。
その後の88年のパルパルオリンピックでは、久しぶりに東西揃ってのオリンピックとなりました。
当時は東西冷戦でしたが、その後90年代になるとソ連が崩壊し、冷戦という形はなくなりました。その後しばらくこういったボイコット論争はありませんでしたが、万が一アメリカ同盟国が北京オリンピックをボイコットすることになるのであれば、再び世界の分断を示すことになります。
予想外の強行姿勢
ある意味では、予想通りだったのかもしれませんが。
しかし世間的なイメージでは、温和なバイデン候補に対し、強硬派のトランプ大統領という構図が大統領選挙ではありました。
蓋を開けてみれば、なにかと協調路線も示しつつも、対中国についてはトランプ元大統領以上に厳しい姿勢をとっています。
アメリカと中国、間に入ることができ調整できる国は、現在の世界だと日本くらいしかありません。うまいこと調整役に徹することができればいいのですが、日本も今年は大きな選挙があります。
力をつけ続けている中国、強い姿勢で臨むアメリカという構図の中、強いリーダーシップを発揮できる日本のトップであってほしいなとは思いますが。どうなることやら。
万が一ボイコットするようなことでもあれば、来年、再来年は東アジア情勢も大きく揺れることになるでしょう。心配です。
個人的にはアメリカも中国もリスペクトしていますので、どうにかうまく乗り越えてもらいたいと思っています。