QUESTIONより:コロナを例に陰謀論を三つのパターンで分析、陰謀論者との付き合い方は


QUESTIONより

彩雨さん、いつも楽しく、ためになる記事をありがとうございます。 以前、都市伝説がお好きだと仰っていたと思うのですが、最近気になっているものがあれば教えて頂きたいです!


最近気になっている都市伝説ということなら、やはりコロナ関連ですかね。

まぁ気になっているってほどのものでもなく、内容としてはそんな面白いものではないのですが、盛り上がっているという意味ですかね。

陰謀論がホットな2020年

昨年は、近年稀にみる陰謀論ブームだったと思います。

こういった都市伝説界隈の盛り上がりという意味では、世紀末に匹敵するレベルだったようにも思えます。

こういった都市伝説、陰謀論が盛り上がる背景には社会不安があります。

昨年はコロナに加え、アメリカ大統領選挙もあり、盛り上がる要素は十分に揃っていました。

それに拍車をかけるのがYouTubeです。昨年の陰謀論は、YouTubeを中心に盛り上がりました。

今までは金銭の授受がほとんどない状態でそういった話を純粋な興味として語り合うのが都市伝説でした。

昨年は、これに広告収入を狙った動画が乱立し、こういった話を広めることで収益を上げていた人が多く存在しました。

コロナ関連:コロナ人工説

コロナが話題になり始めた時、これ絶対に陰謀論出るだろうなぁという感じありましたよね。

一番最初に話題になったのは、中国が作ったウイルス兵器であるということ。

あのときは人工ウイルスである決定的な証拠がうんたらかんたらということもなにかと話題になっていました。

こういった、実は悪いやつが裏でやってましたっていうパターンは定石で、911のテロや東日本大震災でも同じように誰かが起こしたという話でもちきりになりました。

ここで重要なのは、100%そうではないという確証を提示できないことなんですよね。本当にそうであるかもしれないという含みの部分をいかに楽しめるかが都市伝説なのですが、0か100かの話での論争になると、それはもうその範疇ではなくなります。

コロナ関連:コロナ存在しない説

コロナ人工説に比べると日本ではあまり話題になってないようでしたが、そもそも新型コロナウイルスというそのもの自体が存在しないという説もありました。

これはたしか海外の報道に尾びれがついてフェイクニュースとして広がったことが原因だったかなと思います。合わせて、ありもしないウイルスを蔓延していることにしている!みたいな政府陰謀論系に結び付けるわけですね。

いやいや、そんなこといったって実際に死んでいる人いっぱいいるじゃん、って話なんですけども。

ただ、”存在しない”論者にとっては、コロナで死んでいる人がいるっていう情報すら嘘だ!ってなるんです。もし身近で死んだ人がいたら、殺されたんだ!ってなります。

こちらのパターンは、先ほどのコロナ人工説とはパターンが違います。明らかにそうじゃないというデータや事実がありながらも、それは全てフェイクだ、で片付けることができるパターンです。

同じものには、地球平面説や、NASAは月に行ってない説、そもそも月は存在してない説なども挙げられます。

コロナ関連:ワクチン陰謀論説

最近はこちらが増えてきました。ワクチン陰謀論説です。

現在世界中でワクチン接種が本格スタートしている中、最初に多かったのが、ワクチンは危険説です。新しいワクチン、さらに今回は遺伝子ワクチンということで、それを疑問視する声です。これはまぁわかります。

しかし実際になかなかワクチンがよく効くようだという流れになると、次にでてきたのが、ワクチンにナノマシンが混入されており人をコントロールしているとか、人口削減のためにいつか死ぬように作られているとか、そういった類のものです。

人というのは、潜在的に新しい技術を拒む傾向にあります。

なにか便利なものが出てくると、自然と拒絶反応を起こすのです。これは何がそうさせているのか。人間としての生存本能なのでしょうか。

これと同じようなことは5G陰謀論なんかもそうです。5Gの電波が人をダメにするというものです。さらにコロナとも関連付けて、5Gの普及している地域で感染者が多い、とまでするデータもあります。5Gが普及している地域は人口が多いので当然なんですけどね。

これは昔からありまして、写真を撮られると魂が抜かれるってのも、同じような感じでしょうね。

例外:コロナはただの風邪説

ただコロナ関連の陰謀論を話す上で、しっかりと切り分けなければならないことがあります。

それが、「コロナはただの風邪」論者です。

こちらは新型コロナウイルスという存在を認めている上で、その程度のことを論じています。

要するに、コロナがあろうがなかろうが、人は風邪でもこれまでだって死んでいるわけで、コロナだけ特別扱いすることはない、ということです。実際にインフルエンザでも多くの方が毎年亡くなっていますが、だからといって世界各国は今回のコロナのような措置をしていませんでした。

それとは別パターンで、無症状でまったく問題なく生活することを「感染」とする違和感を持つ人もいます。

こういったことに関しては自分も一部同意しているところもあります。

コロナはただの風邪だから気にせず生活していいんだ!ではなく、コロナもこれまでただの風邪だと思っていたものたちも、これからはある程度しっかりと対策をしながら生活しないといけないなと思っています。

「ただの風邪」も、よくよく考えると怖いよね、ってことです。

さすがに大人数での飲食はやりたいですけど。ただ手洗いの徹底とか、具合が悪いときは休むとか、そういった習慣はコロナ後も続いていくといいなと思いますけどね。

頭ごなしに否定してはいけない

周りにももしかしたら陰謀論者の方がいるという方もいるかもしれません。

こういった場合、頭ごなしに否定してしまうのはよくないことです。

溝を生むだけです。

世の中にはたくさんの考え方があって然るべきなのです。

数ある考え方のうち、自分はこう、あなたはこう、と受け止める姿勢が一番大切です。