この1,2年で携帯業界は大きな変化をしていますが。総務省がかなりの力を入れています。
先日、もう一つ動きがありました。
それがSIMロックの原則禁止です。
なぜSIMロックが必要だったのか
SIMロックという仕組みは、日本の独特な携帯電話業界にはぴったりの仕組みです。
日本は携帯電話の端末と通信量がセットで販売されています。
携帯電話は、ドコモならドコモで、ソフトバンクならソフトバンクで購入していましたよね。
作っているのはSHARPだったり東芝だったりしましたが、それぞれ携帯各社用にカスタマイズされ、販売されていました。
ヨドバシカメラにいっても、携帯電話の端末を買うことができるのは、携帯各社のコーナーだけでしたよね。
ドコモ用の携帯電話端末にソフトバンクのSIMカードを指しても、使うことはできません。これを使わせないようにする仕組みがSIMロックです。
ユーザーも、毎月お金を支払いますが、それが端末代なのか、月々の通信量なのか、わかりにくい仕組みにさせていました。そのため、感覚的には2年契約すれば端末代がゼロになる、というものとなりました。
そして、ドコモに機種変更して新しい端末を買ったばかりの人が、じゃあソフトバンクに移ります、みたいになったとき、その端末を捨てなければならないということです。
ユーザーの抱え込みという意味で、このSIMロックはなくてはならない仕組みだったのです。
SIMロック禁止で競争は激化するか
なぜ総務省がSIMロック原則禁止とするのでしょうか。
これは、総務省としては携帯業界に競争を促しているからです。
SIMロックが禁止となれば、たしかに乗り換えはしやすくなります。
各携帯電話会社は自社で開通してもらうために、かつてはかなりの端末値引きをしていました。しかしこれも規制が入るようになりますので、代わりにポイントなどで頑張っていました。
それができるのは、SIMロックがあるからです。要するに、他の会社で使えないからなんですよね。
でもそれができないということで、携帯電話会社としては自ら端末を売るメリットが減ったということです。
ですが、これでじゃあ競争が激化するかというと、どうなんでしょうね。
もうすでにahamoや楽天モバイルなどに乗り換えている人は、それなりに興味を持っている人だと思います。
しかし、興味ない人にとっては、どれだけ乗り換えしやすい土壌ができたとしても、めんどくさいので乗り換えないんですよね。ここを動かすのは至難の業ですよ。
総務省としては、もうすでに切れるカードがなくなってきたように思えます。今はまだ値下げの余韻が残っていますが、どこかで一度落ち着くような形になり、結局は三社の寡占状態は今後も続いていきそうです。