著作権保護というと、近年の概念ですと、デジタルコピーをどうしても最初に考えます。
たしかに本も音楽も、そのままデジタルコピーをすればいくらでも大量生産できてしまいます。
実際にそういったことで海賊版販売ということで捕まるケースもありますよね。
地図のコピー対策
古くから悩まされている著作権保護の問題の一つが、地図のコピーです。
地図の場合はコピーといっても、そのままデジタルコピーということではありません。
要するに、地図のトレースです。
例えば本だったら、その本の内容をひたすら文字入力して複製した場合、それがコピーだと一発でわかりますよね。
音楽でもちゃんと弾き直したり打ち込むなりして作っても、それがコピーだとわかります。
絵でもそうで、たまにイラストレーターが特定の絵をトレースして同じような構図で絵を書いていることが問題になったりもします。
しかし地図だとどうでしょうか。
地図の場合、このトレースして地図を作り直された場合、それがコピーなのかどうかを見抜くのが困難なのです。
なんせ地図は、この世の中に存在するものを落とし込んでいるだけですからね。
この地図のコピー問題は、古くから問題になっていました。
幻の島や存在しない街
地図には、実は幻の島、存在しない町や道路などが記載されている場合があります。
こちらなかなか興味深い事例ですが、もちろん昔はあったけどそれがなくなった、という事情もあります。
しかし、わざと存在しないものを書き込むということも行われるそうです。
この理由が、著作権保護です。
早い話が、他社の地図を元に地図を作り直した場合、これうちの地図のパクリじゃないか!といっても、なかなかそれを実証することができません。
わざとフェイクの島や街などを記載させ、それがもし他社の地図に記載されていた場合、これを根拠に違法コピーであることを証明するというものです。
こういった発想、音楽や本などではない、地図ならではの対策法ですね。
こういった考え方を著作権トラップといい、地図の場合はトラップストリート、という言い方もします。罠のための架空の道路ですね。
近年はカーナビのこともありますから、主要部などにはもうないでしょうけども。
その昔トラップとして存在し、誰にも気づかれないまま今も地図に記載されているところとかもありそうですね。